デビュー12周年のSHINee、革新的なパフォーマンスと先鋭的なセンス ひたむきな努力重ねた歩みを振り返る

 そんな彼らだが、その後の道行きはけっして順風満帆ではなかった。2013年、2枚に分けてリリースされた彼らにとって3度目のアルバム『Chapter 1 Dream Girl - The Misconceptions of You』『Chapter 2 Why So Serious?- The Misconceptions of Me』の発表以降はメンバーの不調もあり、SHINeeとしての音源は2015年の『Odd』が出るまでに2年を要した。その間、後輩のEXOがアジア圏を中心に爆発的な人気を獲得していくにしたがって、次第に賞レースから遠ざかっていく。そのことをさびしく思うファンもいないわけではなかっただろう。けれど、その間にもテミンやジョンヒョンはソロデビュー、キーはユニット活動、ミンホはドラマ出演など、それぞれが積極的に活動し、才能を磨く期間に充て、成長した自分をSHINeeに持ち帰ろうとしていた。

 2016年には半年をかけて日本全国をまわるアリーナツアーを開催。翌年のアリーナツアーを経て、夢の東京ドームのステージに立った時の感動は、その場にいたファンならば、きっと忘れることのできないものとなっただろう。

 ステージで光り輝く彼らだが、影ではひたむきに努力し続けてきた。センスのよさ、ビジュアルのよさ、曲のよさ、そのすべてを凌駕する人柄のよさとメンバー間の仲のよさは、SHINeeのファンなら誰もが知っている。けれど彼らは一度、大切なメンバーを失っている。その悲しみはきっとこれから先も忘れることはできないが、それでも前を向いて歩く彼らをこれからも見守っていきたいと思う。デビュー12周年を迎えた彼らが、久しぶりに始動するその時を心待ちにしている。

SHINee「Dozen of Years with SHINee in Japan - SHINee 12th Anniversary」

■尹秀姫
東京都出身。フリーランスの編集・ライター。K-POPを中心に様々な媒体でインタビュー・コラムを執筆。『韓国語ジャーナルhana』のミュージックページ担当。WANNA ONEの解散であれだけ号泣したのに、今はIZ*ONEが気になっている懲りない性分。

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