コロナ禍がヒットチャートにもたらす影響 延期や中止、流通システムの混乱……CDを求める声は絶えず

参考:2020年5月18日付週間シングルランキング(2020年5月4日~2020年5月10日)

 5月18日付のオリコン週間シングルランキングでは、4月22日にリリースされたHKT48の『3-2』が、発売3週目にして1位に返り咲きました。その推定売上枚数は7,189枚。一見すると少なく感じられますが、逆に、新型コロナウイルスの感染拡大が続く状況下で、よく7,000枚以上のCDが売れているなとも感じます。

 そう考えるのは、新型コロナウイルスの影響は、ライブハウスだけではなくCDというフィジカルパッケージにも直撃しているからです。

 そもそも、CDのリリースの延期や中止が続出しています。ソニー・ミュージックエンタテインメントやLantisの作品を筆頭に、影響を受けているCDや映像作品は約400点にも及んでいます(同じ作品の形態違いも含む)。

 亀梨和也(KAT-TUN)と山下智久によるユニット「亀と山P」のアルバム『SI』や、NMB48のシングル『だってだってだって』の発売延期はニュースにもなりました。上記の約400点という数字は、4月から6月にかけてのものなので、事態が収束しなければ、影響を受ける作品数はさらに増える可能性もあります。

 さらに、物流や小売店への影響もあります。音楽ファンが足を運ぶタワーレコードでは、東京都の外出自粛要請が出た3月末から臨時休業する店舗が出ており、東北などでは営業を再開しているものの、この記事の執筆時点では多くの店舗が休業しています。

 そんな中での救いはオンライン販売です。しかし、宅配需要が増加したことで配送の遅れも発生し、ヤマト運輸ではその旨がアナウンスされています。

 そして、アメリカのAmazonでは、食品や医療用品などを優先し、CDやレコードの仕入れを一時停止していると3月に報じられました。日本のAmazonでも、4月末以降は生活必需品を優先し、新たな書籍の搬入ができない状態になっているとの情報もあります。在庫分は問題ないでしょうが、CDも新譜の入荷や旧譜の再入荷は影響を受けているかもしれません。

 このように、レコード会社から流通、小売りまで、CDは新型コロナウイルスの影響を受けています。しかし、それでも今回の週間シングルランキングのベスト10では、最低でも1,500枚以上は売れているわけです。ベスト10のうち、サブスクで聴けないのはSixTONES vs Snow Manの『Imitation Rain/D.D.』だけであるにも関わらず。ライブの無観客配信など、音楽をめぐるすべてがオンライン化を余儀なくされている中で、CDというフィジカルパッケージの根強い人気を感じたチャートでした。

■宗像明将
1972年生まれ。「MUSIC MAGAZINE」「レコード・コレクターズ」などで、はっぴいえんど以降の日本のロックやポップス、ビーチ・ボーイズの流れをくむ欧米のロックやポップス、ワールドミュージックや民俗音楽について執筆する音楽評論家。近年は時流に押され、趣味の範囲にしておきたかったアイドルに関しての原稿執筆も多い。Twitter

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