THE ORAL CIGARETTES、PEDRO……独自の感性、サウンドメイクを奔放に表現したロックバンド 新譜5作をピックアップ

Age Factory『EVERYNIGHT』

 90年代オルタナ直系の鋭利なギター、パンク的な凶暴性と緻密なアレンジメントを共存させたサウンドによって、10年代後半のバンドシーンで異彩を放ってきたAge Factory。佐藤千亜妃がコーラスで参加した「nothing anymore」を含む3rdアルバム『EVERYNIGHT』は、バンドとしてのスケール感、楽曲の世界観の広がりを含め、3人の音楽的ポテンシャルとビジョンがさらに強く反省された作品となった。“淡い青色をたたえた夜の風景”を想起させる歌詞の世界、轟音と静寂を行き来するようなアンサンブル、そして、自らの内省的な感情をリリカルに映し出す清水エイスケのボーカル。単に観客と騒いで楽しむだけではなく、(たとえばThe Velvet UndergroundやTelevisionのように)アートフォームとしてのロックバンドの可能性を感じさせてくれる充実作だ。

Age Factory “nothing anymore” (Official Music Video)
オメでたい頭でなにより『オメでたい頭でなにより2』

 歌い手として活動していた赤飯(Vo)を中心に結成されたオメでたい頭でなによりは、ヘビィロック直系のサウンド、ボカロ系楽曲並みの情報量を詰め込んだ楽曲、凄腕メンバーたちのバカテク演奏がウリなのだが、2ndアルバム『オメでたい頭でなにより2』では、これまでのスタイルをさらに増強しつつ、“この時代に必要なロックを鳴らしてやる!”という意思をはっきりと示している。それを象徴しているのが1曲目の「頑張っていきまっしょい」。スタジアムサイズのスケールを放つギターリフ、強烈なシャウトを交えたボーカル、メタリックなビートとともに響くのは、現在の社会の情勢を踏まえたうえで、“それでも気持ちを寄せて、頑張っていきていこう”という真摯なメッセージ。楽しく盛り上がり、くだらないネタで笑える曲もたっぷり収録された本作を早くステージで体感したい。

オメでたい頭でなにより – 「ピーマン」 Music Video | “Green Pepper”

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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