tofubeatsが語る、ヒップホップ的発想で確立したマルチなスタイル「新しいことをやっているつもりは全然ない」

tofubeatsが語る、ヒップホップ的発想で確立したマルチなスタイル「新しいことをやっているつもりは全然ない」

 中学生の頃から宅録で音楽制作をはじめ、2013年に「水星 feat.オノマトペ大臣」のヒットをきっかけにメジャーデビュー。その後、自身の作品やライブ、DJ活動に加え、SMAP、平井堅などの楽曲リミックス、ゆずのサウンドプロデュース、CM、アニメ、映画の音楽など幅広いフィールドで存在感を示しているtofubeats。

tofubeats – 陰謀論 (CONSPIRACY THEORY)

 「DJプレイの際に使いやすい曲を収録した」という新作ミニアルバム『TBEP』を発表したばかりの彼に、クリエイター/アーティストとしてのスタンス、独創的な制作スタイルなどについて語ってもらった。(森朋之)

「これだけ」と決めるのがイヤなんです

tofubeats

ーーtofubeatsさんは、トラックメイカー、音楽プロデューサー、シンガーソングライター、劇伴作家、さらに動画の配信やマネジメント会社「HIHATT」の経営など、活動は多岐に渡っています。音楽活動をスタートさせたときから、現在のような活動スタイルを思い描いていたのでしょうか?

tofubeats:いや、そんなことはないですよ。トラックを作り始めたのは中学生のときなんですけど、要はヒップホップのビートを作りたかっただけなので。BUDDHA BRANDのDEV LARGEさん、TOWA TEIさん、石野卓球さんなどの影響も大きかったですね。いろいろ出来るようになったのも、「これができないと困る」という消極的な理由が大きいんです。たとえば「ポップスを作れないと、コンペに通らない」とか。

ーー必要に迫られながら、技術やメソッドを獲得してきた?

tofubeats:というより、チマチマ続けていれば出来るようになるんですよ(笑)。「ボールを100m投げる」とかは無理だけど、曲は気が向いたときに少しずつ進めていけば、完成まで持っていけますから。作り始めたときからそういう感じでしたね。「機材があったら曲が作れる」という記事をインターネットで見て、「そうなんや」って真に受けて、ちょっとずつ作り始めて。そのやり方は、他のことにも応用できるんですよね。たとえば動画の編集にしても、自分で少しずつやっていれば、出来るようになるので。

ーーセンスや才能というより、地道に積み重ねてきた成果だと。

tofubeats:そうですね。中学生の頃に作った曲は、誰がどう聴いてもダサいですから(笑)。

ーーでは、「この仕事をやったことで、作風が大きく広がった」という作品は?

tofubeats:最近だと映画『寝ても覚めても』の音楽ですね。劇伴は映画の主役ではないけど、主題歌(「RIVER」)はしっかり立っている曲じゃないといけない。違う役割を担う音楽を同時に作ることで、いままで使っていなかった部分を使えた感覚があったし、思ってもみないような曲が出来て。実際、「RIVER」みたいな曲って、それまで作ったことがなかったですから。映画の音楽を作らせてもらったことは、その後の制作にもすごく影響があって。脚本、言葉を音楽に落とし込むということなんですが、「ふめつのこころ」(ドラマ『電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-』主題歌)も、そのやり方で作りました。内容は全然違いますけど、手法はかなり似てますね。

ーー新しいジャンルに飛び込むことで、次の制作につながると。

tofubeats:はい。最近もアニメの仕事とクラブミュージックのアルバム(『TBEP』)を並行して作ってたんですが、そのほうが楽しい。それは昔からそうで、「これだけ」と決めるのがイヤなんですよ。ヒップホップでレアグルーヴを使ったトラックが全盛期だった頃、J-POPをサンプリングした曲を作ったりしていましたし。「ヒップホップだけじゃなくて、ハウスもやってみたら」と言われて、試しにやってみたら、いままでとは違う自分の作風を見つけることもできました。アンダーグラウンド、オーバーグラウンドという分け方も好きじゃないし、いろいろ出来たほうが得に決まってるという考え方なんですよね。

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