KinKi Kids、新曲「KANZAI BOYA」誕生秘話とは 『どんなもんヤ!』で明かされたジャニー喜多川への愛情

 ジャニー喜多川氏とKinKi Kidsの関係性は、芸能事務所の社長とタレントを超えて、親子のようでもあり、いちばんのファンとアイドルでもあった。堂本光一を、現在も続く『SHOCK』シリーズで帝国劇場最年少座長(当時21歳)に抜擢すると、「ユー最悪だよ」と発破をかけてきたジャニー喜多川氏。演出について衝突し「勝手にすればいい」と言われたエピソードはあまりにも有名だが、それだけケンカができるということは、彼のポテンシャルを信じていればこそ。

 一方、堂本剛には「キミが何を考えているかを知ることを楽しめるのがファンの人たちだから、説明なんていらないし、キミのやりたいと思ったことをステージで表現しなさい」と言葉をかけていたという(参照)。ジャニーズ初となる“自作曲での”ソロデビューも、彼が奏でるファンクミュージックも、どんな自分をも受け入れられる土壌があると信じられたからこそ育まれたものかもしれない。

 父のように厳しく堂本光一を見つめ、母のように堂本剛を包み込んだジャニー喜多川氏にとって、やはり2人は“関西の坊や”に、他ならなかったのだろう。そんな大きな愛情に対して、2人が返せる愛情の形は、自分たちのエンターテインメントを磨き、披露すること。そして2人揃って“ジャニーさん”モノマネをしてゲラゲラと笑う姿を見せることだったのだろう。

 きっと堂本剛が語った「消化しきれてないのよなあ。あいつの中で」という言葉は、もらっただけの愛情を返しきれていないという思いに違いない。そんな様子を見てきた堂本剛が思いのままに作詞作曲したファンクに、堂本光一が繰り出す“ジャニーさん“モノマネで締めるという「KANZAI BOYA」は、ステージでは決して泣くことを良しとしなかったジャニー喜多川氏の教えを、きちんと守っている2人の育ちの良さが見てとれる。

 ちなみに、初回盤AにはノリノリのMVがついているというが、「もうKinKiのPVじゃないです。もうめちゃめちゃふざけてます。でも、僕は好きですよ。光一くんの楽しそうな感じも好きです」と言うから期待が高まる。天国から「ユー最悪だよ」と聞こえてくるような仕上がりになっていることだろう。そして初回盤B、通常盤には、KANZAI BOYAグッズがつくという。

 「後にも先にもできないと思いますよ。でもこれをOKしてくれた事務所さんも、ありがとうです、ほんとにありがとうございます。すごく嬉しいです」KinKi Kidsじゃなく、KANZAI BOYAだったら……というパラレルワールドが楽しめそうだ。きっとどんな名前でも彼らは私たちを魅了し、そしてジャニー喜多川氏自慢の息子たちだったに違いない。

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