ラストアイドル、シングル『愛を知る』選抜バトルで見せた個々の力 阿部菜々実、長月翠、間島和奏らの熱戦を振り返る
そして、間島をも上回る2位に選ばれたのは、長月翠。過去にコンサートでも披露している松田聖子「青い珊瑚礁」は、抜群に長月の声質に合った楽曲だ。“阿部の隣”という重要なフロントポジションに返り咲いた長月も、LaLuceとシュークリームロケッツを兼任する、グループの顔となるメンバーである。
8位までを占めている1期生メンバーのパフォーマンス力の高さを痛感しながらも、印象的なのが2期生、2期生アンダーから8名が選ばれていることだ。ダンス、歌唱とともに「1番やりきっている」と評価された町田穂花は9位に。さらに、審査員であり振り付け師のakaneからダンス部門で満点となった畑美紗起が12位。前作「青春トレイン」でスポットを浴び、今回MISIA「オルフェンズの涙」を抜群の歌唱力で歌いきった米田みいなが16位。私立恵比寿中学「禁断のカルマ」に賭けてきた思いを込め、新たな一面を見せた白石真菜が18位と、新たなラストアイドルの表情を覗かせる選抜にもなっている。
「愛を知る」MVは、オーディションバトルから一変して、メンバーの可愛らしい表情が収められた映像に。突き抜けた明るさの中の一方で、サビの歌詞では〈君と出会って泣けて来た なぜか涙が止まらない〉〈心 閉ざしてた僕が 同じ痛みを感じた存在〉と綴られており、2年間の幾多のバトル、合宿で生まれたドラマをも彷彿とさせた。これまでの歩みを踏襲しながら、ラストアイドルは確実に新たなフェーズへと突入している。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter