竹内唯人、初の連ドラ主題歌「ニビイロ」がバイラルチャート浮上 大人の表情を覗かせた芯のある歌声に注目

 まず、同曲で注目すべきはサウンド面での変化だ。sooogood!起用でヒップホップやR&Bなどを取り入れた都会的なエッセンスが色濃かったこれまでの2曲は、オートチューンを多用したラップ歌唱を披露していた反面、先行してデビューしていたRude-αやさなりといったラッパーに埋もれてしまうような印象も否めなかった。しかし今回はサウンドプロデュースに、三浦大知やBTS、JUJUなどへの楽曲提供で知られるUTAを迎え、生の声の力でしっかり聴かせるバラードナンバーに仕上がっている。あどけなさや思春期性を感じさせていたこれまでとは一変、10代とは思えない芯のある力強い歌声を披露し、「大人っぽさ」をギャップとして見せられているのは見事だ。

 もう一つ注目すべき点は歌詞。今回も竹内自ら作詞に参加しているが、実体験メインのこれまでの歌詞から一転、淡くも複雑な恋愛模様が描かれたドラマ『鈍色の箱の中で』にしっかり寄り添えているのだ。〈僕じゃない誰か想って/この体抱き寄せるね/もしこれが 偽りのキスだとしても/お願いどうか 目を閉じたままで〉というフレーズは、竹内の脳内を通してドラマを描き直したような臨場感溢れるラインとなっている。

【ドラマ主題歌に抜擢!!】竹内唯人 "ニビイロ" (テレビ朝日ドラマ「鈍色の箱の中で」主題歌)

 言葉の面でもサウンド面でも、これまでにない一面が引き出された「ニビイロ」は、初々しいデビューを飾った昨年とは異なり、歌手として早くもネクストフェーズに突入しようとする竹内唯人の気概が感じられる1曲だ。ドラマとの親和性はもちろん、リスナーの期待に応えて新しい表情を見せられたことこそ、バイラルチャート急上昇に大きく繋がっているに違いない。

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