AAAが男女混合グループとして打ち立てた偉業 “Attack All Around”を体現した15年の歴史
日本を代表する男女混合パフォーマンスグループ AAA(トリプル・エー)が、15年分の感謝の気持ちを込めて15周年記念オールタイムベスト『AAA 15th Anniversary All Time Best -thanx AAA lot-』を2月19日にリリースした。
AAAの軌跡を振り返ると、たくさんの挑戦が生み出した奇跡に気がつくことができる。そもそも、グループ名は“Attack All Around”の略であり、“すべてのことに挑戦する”という意味が込められている。現在では、全メンバーがソロ活動を行い多方面での多彩な評価を得ているAAAだが、デビュー直前に青山、渋谷、大阪、福岡、札幌にて路上ライブを行うなど下積み時代もあった。エイベックス作品ウォッチャーである筆者も、遠目に彼らの姿を観に行ったのが懐かしい。
今回収録された、あらゆるジャンルやサウンドを横断する全57曲を収録したオールタイムベストを聴くことで、AAAがいかに音楽シーンの荒波を乗り越えてきたかがわかる。
AAAのデビューは、2005年9月14日。エイベックスらしさに溢れたダンサブルなユーロビートサウンドによるシングル曲「BLOOD on FIRE」でキャリアをスタートさせた。メンバー、日高光啓(ソロではSKY-HIとしても活躍)がラップをするなど、AAAのスタイルはすでに当時から提示されていたことに着目したい。同作で『ベストヒット歌謡祭2005』新人賞、『第38回日本有線大賞』有線音楽賞、『第47回日本レコード大賞』最優秀新人賞などを受賞。勢いそのままにデビュー1年で日本武道館公演を達成、その後5周年イヤーで『NHK紅白歌合戦』に初出場するなど、 AAAは新世代男女混合グループとして第一線で活躍してきた。
しかし、今から振り返れば、彼らの活動初期は定額制音楽ストリーミングサービス普及以前。のちに音楽シーンは“ヒット曲”不在と言われ続ける過渡期を迎えることになる。AAAはヒットの方程式のない時代に、幅広い音楽的アプローチで新規リスナーとの接点を模索すべくヒットの火種を生み出し続けた。ゆえに、あえて言うならば楽曲の方向性のベクトルは様々だった。