『MAP OF THE SOUL』シリーズは“BTSとは何者なのか”を問う物語に ユング心理学も踏まえ新アルバム全貌を予想
2月21日にリリースされるBTSのアルバム『MAP OF THE SOUL:7』より、2つ目のカムバックトレーラー「Outro:EGO」が公開された。「Outro:EGO」はメンバー・J-HOPEのソロ曲。歌詞ではJ-HOPE自身が過去の不安から脱却し現在の心境に至るまでを描いている。
タイトルの「EGO」はアルバムのコンセプトの一部と思われるユングの心理学において、「自己(セルフ)からの分離による一部分のみが選択され、表面化されたもの=自我」と定義づけられている。“自己(セルフ)”が意識も無意識も全てを内包しているチョン・ホソク(J-HOPEの本名)であるとするなら、ここでいう「EGO」とはチョン・ホソクの中のアーティストである“J-HOPE”の部分を指すと思われる。最初のティーザーとして公開されたSUGAによる「Interlude:Shadow」と今回の「Outro:EGO」、前作『MAP OFTHE SOUL:PERSONA』収録のRMによる「Intro:Persona」を順に見ると、“自分は何者なのか/一生聞いてきた質問”(「Intro:Persona」)、“そう僕は君で/君は僕だ/もう分かるのか”(「Interlude:Shadow」)、“僕は分かるようになったんだ/JUST TRUST MYSELF”(「Outro:EGO」)となっていく。つまり、『MAP OF THE SOUL』シリーズというのはBTS自身が「BTSとは何者なのか?」ということを問いかけ逡巡する物語なのだろう。前作はIntro(Interlude)のみでOutroがなかったが、今作はIntro/Outroとして抑圧された自己であるShadowと、Shadowの影響を克服したEGOが対で配置されている。
「Outro:EGO」にはデビューEPの『2 COOL 4 SKOOL』収録曲「Intro:2 Cool 4 Skool」をサンプリングしているが、この曲自体が「BTS(防弾少年団)とは誰なのか?」と問いかける曲だった。「Outro:EGO」の中でJ-HOPEが夢を追い苦しんだデビュー前後の時期を振り返る歌詞の前後にも「Intro:2 Cool 4 SkooI」のフレーズが使われており、サビの〈my EGO EGO〉は「EGO」と韓国語の「이거(移り去ること)」「이것(これ)」とのダブルミーニングと思われる。