乃木坂46、『紅白』3坂道パフォーマンスに感じた後輩グループのリスペクト 年末年始の音楽番組を振り返る

 今年のリリース曲だけではなく、2017年の「インフルエンサー」、2018年の「シンクロニシティ」「帰り道は遠回りしたくなる」とそのアーティストのヒット曲を披露するのは、最近の音楽番組のトレンドの一つだ。そんな中、珍しい選曲となったのが『ミュージックステーション ウルトラ SUPER LIVE 2019』での「ありがちな恋愛」だった。アルバム『今が思い出になるまで』収録、杉山勝彦による作曲のこの曲は、「君の名は希望」「きっかけ」「サヨナラの意味」といった乃木坂46のイメージを形作ってきた作品に続く楽曲。この日がテレビ初歌唱となり、年末時期に「ありがちな恋愛」へとスポットが向くのは、ある種の乃木坂46の継承とも言える。

 そして年末の音楽番組で最も話題となったのが、乃木坂46、欅坂46、日向坂46史上初、3坂道合同ステージによる「シンクロニシティ」が披露された『紅白』だろう。「シンクロニシティ」は、乃木坂46にとって大切な楽曲の一つだ。2連覇を飾った『レコ大』を経て、乃木坂46のパフォーマンスはより高みへと駆け上がっていった。その異様な空気感はドキュメンタリー映画『いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46』に収められている。

 総勢80名における3坂道でのパフォーマンスに感じたのは、乃木坂46へのリスペクト。先輩である乃木坂46の背中を見てアイドルの道を進んできた欅坂46、日向坂46のメンバーは、『紅白』の会見で「坂道という名に恥じないようなパフォーマンスで盛り上げられれば」とコメントしていた。これが3坂道初のパフォーマンスとなったが、番組自体は10月放送のラジオ『坂道グループのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)、30日放送の『坂道テレビ』があり、蜜月の関係性はより深いものとなっている。

 2020年、現在乃木坂46が目標に掲げているのは、2月にナゴヤドームで開催を控える『8th YEAR BIRTHDAY LIVE』。昨年のバスラは、西野の卒業というトピックの裏で、3期生の躍進が見えた公演でもあった。『3・4期生ライブ』で発表された今回のバスラでは、より3、4期生の存在感が増す、新しい乃木坂46の姿が見られるライブとなることだろう。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

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