ももすももすのユニークな歌詞の世界観を感じた夜ーーワンマンライブ『~HUEは鳴き続ける。~』を観て

ももすももすワンマンライブレポ

 途中、MCで「ライブ中にお客さんが、月に視線が集まるのでスタッフから片付けたほうがいいよと。その分“代わりにももすの心の中の月をみせてよ!”って言われたんだけど、ももすの心には月なんか無くて砂漠が広がっているので、歌うことしかできませんでした……」。と、なぜ開演前にスタッフが月を片付けたのかを説明しはじめ、そのトークのテンポや言い回しから、おもしろい発想を持つアーティストなのだと再認識できた。

 続いて「糸のように細い悲しい冷たい弾けちゃいそうな曲歌をやります」と「シャボン」をプレイ。オーラスは、ギターを置いて、せつなきメロディを奏でる「木馬」、ソリッドなギターロックチューン「隕石」、風変わりなイントロがキュートな「ハネムーン」を立て続けに披露。

 そして、「アネクドット」のMVでも着用していた衣装にチェンジしてアンコールへ。「昔から好きでいてくれる人も、これから好きになってくれる人にもこの曲を贈ります!」と、なんとメランコリック写楽として活動していた時の人気曲「ヨーロッパ返して」を歌ってくれた。これには、オーディエンスもざわめきたった。そして、大事なことを伝え忘れたと前置きして、2020年3月3日にファーストアルバムをリリースすることを発表した。

 興奮の高まりそのままに11月にリリースした、TVアニメ『旗揚!けものみち』エンディングテーマでもある2ndシングル「アネクドット」を畳み掛けるようにプレイ。ギターアンサンブルが気持ちのいいメロディックなアッパーチューン。こちらもミュージックビデオを焦茶と共創している。

 オルタナティブなギターポップサウンドと文学的な歌詞が醸し出す絶妙なるハーモニー。メロディアスな刹那ポップを奏でるももすももすに注目したい。

(Photo by Yuri Fujiwara)

■ふくりゅう(音楽コンシェルジュ) 
Yahoo!ニュース、J-WAVE、NHK、ミュージックマガジン、Spotify、LINE MUSIC、音楽主義などで書いたり喋ったり選曲したり考えたり。会員制サイト『BOØWY HUNT』で、関係者によるBOØWY伝説を裏付けるドキュメンタリー「BOØWY STORY ARCHIVE」を連載中。Spotifyで公式プレイリスト『キラキラポップ:ジャパン』を毎週火曜日更新で選曲中。
Twitter

■セットリスト
『ももすももすワンマンライブ〜HUEは鳴き続ける。〜』
12月16日(月)渋谷TSUTAYA O-nest
1火星よ、こんにちは
2うさぎの耳
3プルシアンブルー
4 saboten
5ベルガモットとドラゴンアイ
6Confession
7桜の刺繍
8シャボン
9シクラメン
10海と傷口
11木馬
12隕石
13ハネムーン
En
14ヨーロッパ返して
15アネクドット

ももすももす OFFICIAL SITE

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる