カントリー・ガールズ、“ももちイズム”の継承とグループとしての強み 結成から5年間の歩みを楽曲とともに振り返る
2017年の嗣永の芸能界引退後には、山木、小関がカントリー・ガールズ専任メンバーとして、森戸はモーニング娘。'17、船木はアンジュルム、梁川奈々美はJuice=Juiceと兼任して活動することになり、それぞれのメンバーがアイドルとしてさらなる高みを目指すことになった。同年、配信第1弾楽曲となった「小生意気ガール」は元アンジュルムの福田花音による作詞で、小悪魔な女の子の心情が無邪気に語られている楽曲だ。この“あざとカワいさ”は「愛おしくってごめんね」の“ごめんねポーズ”のようにデビュー当初から一貫したグループのテーマであった。一見、“あざとさ”はマイナスイメージを与えるように思えるが、カントリー・ガールズの“あざとカワいさ”をファンが受け止めていたのは、彼女たちが振り切ったアイドル力をグループの強みとして持っており、嫌味を感じさせなかったからではないだろうか。
今年の夏に発売した「One Summer Night〜真夏の決心〜」 では成長したグループの姿を確認できる。その成長というのは単に年齢を重ねることや垢抜け方だけではなく、それぞれが経験を経て一層芯が強くなったように感じた。“あざとい”面影を残しつつも、サビで〈今日初めて 柄にもなく塾をサボった〉〈どこにいても変わらずにいてね マイベストフレンド〉と歌うのは少し前のカントリー・ガールズでは考えにくかっただろう。様々な困難を乗り越えたこれまでの境遇や、恋愛をテーマにした楽曲を多く歌ってきたからこそ、友情を歌う同楽曲の重みは桁違いだ。
今月26日に行われる『カントリー・ガールズ ライブ2019 〜愛おしくってごめんね〜』をもってメンバーは全員卒業となるが、進路は様々だ。アンジュルムと兼任していた船木も来年3月をもって芸能活動を休止するため、ハロー!プロジェクトに残留するのはモーニング娘。'19に完全移籍することとなった森戸のみである。ひとまずは、現体制でのカントリー・ガールズの残りわずかな活動を見守っていきたい。
■momotoxic
ブロガー。自称"楽曲派"。Twitter:@momotoxic1006