King & Prince、考え抜いて出した答えが自分たちの色となっていく 連続ドキュメンタリー第3回を見て

考えて決めるーー演出の難しさ

 岸は『DREAM BOYS』でキューブを使ったパフォーマンスに挑んだ。「体力つかいますね~」と、身体よりも大きなキューブに苦戦していた。「もっと上ができたらもっと上を目指す。最低限、これが最低限だから」スタッフも追い込む。キューブは舞台上で回すだけでなく、フライングの演出にも使われた。逆さに吊られた状態で手を使わず、岸の首だけで支えるという。

 別のスタッフが「こいつだけの力で勝負にさせたい」と、岸の補助として配置されていた女性パフォーマーに説明した。岸に対しては「補助なし。そこで勝負しないで……(女性パフォーマーたちは)お母さんじゃないんだからさ。一人でやらなきゃダメよ」、「ダメ、あり得ない」。現場には堂本の他にも、表現に対して妥協しないスタッフがいた。

 9月3日。肩の痛み、喉の痛みを訴え、満身創痍とも呼べる状態で臨んだ本番。岸はギターソロに、キューブ、フライングをしながらキューブを操っていた。その姿は当初、手こずっていたのとは別人のようだった。

 初日のステージを終え、神宮寺は「やりながら鳥肌立ったシーンとか結構あったんで。すごい経験しましたね」。岸は「ジャニーさん絶対に観てくれてたと思うので、『いいね』って言ってもらえるようなパフォーマンスは、もうできるところは全部やったので、そこはもう堂々とジャニーさんに見せられたかなと思います」。二人とも手ごたえを感じたのか、曇りのない表情を浮かべていた。

 コンサートツアーの一コマ。岸と平野紫耀は現地のスタッフから方言を習ってライブ中に取り入れていたように、地道な努力と工夫を重ねていたのが印象に残る。自ら追い込むことに加えて、周囲のスタッフ、環境からも追い込まれるようにして、一歩ずつ成長していく様子が伝わってきた。

 King & Princeの密着は今回で一旦終了。次回は2020年に放送予定とのこと。この後も、平野、永瀬廉、髙橋海人が出演する舞台『JOHNNY'S ISLAND』が控えるなど、King & Princeの奮闘はまだまだ続く。

■柚月裕実
Web編集者/ライター。企画、担当編集、取材・執筆してます。
日本の男性アイドルの頑張りを見ては涙する30代。
始まりはSMAP中居さん。 KAT-TUN、NEWS中心の事務所担。年中HDDの整理と原稿書きに追われています。

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