諸星すみれ、富田美憂……2019年秋アニメOP/EDでデビューを果たすシンガー4選

仲村宗悟「Here comes The SUN」

 そしてボカロPのれるりり原作によるTVアニメ『厨病激発ボーイ』(TOKYO MXほか)のED主題歌「Here comes The SUN」でソロデビューするのが、同作に高嶋智樹役で出演する声優の仲村宗悟です。スマートフォン向けゲーム『アイドルマスター SideM』の天道輝役で声優デビューし、DRAMATIC STARSのリーダーとして『SideM』の中核を担ってきた彼は、元々ミュージシャンを志して18歳のときに故郷の沖縄から上京、個人で音楽活動を行っていたという経歴の持ち主。それが理由(ワケ)あって声優になり、理由(ワケ)あってアイドルになり、31歳にしてアーティストとしてメジャーデビュー。彼もまた夢を追い続けて、それを叶えた人なのです。

 デビュー曲となる「Here comes The SUN」は、自身もシンガーソングライターとして活躍するChouChoが詞曲を提供(編曲は村山☆潤)。歌の上手さは『SideM』や『ツキプロ』での活動で実証済みですが、明るいギターロックサウンドに乗せて届けられる伸び伸びとしたその美声は、楽曲自体のテーマでもある「太陽」のように晴れやか。Dメロの〈ずっと眠ってた夢が そっと目覚めたのは/いつだって君が 信じ続けてくれたから〉というフレーズは、彼の活動を追ってきた人ほどグッとくることは間違いありません。そしてMVではアコギの弾き語りでその腕前を披露。さらにデビューシングルのカップリングには自ら作詞作曲した「ゆらゆら」を収録しています。慣れ親しんだ沖縄から東京にやってきて、常に何か新しいことを求めて挑戦してきた彼の心情が詰まったこのナンバー、胸を焦がすような熱さがあるのでぜひ聴いてみてください。

仲村宗悟 - Here comes The SUN 全曲試聴動画
DIALOGUE+「はじめてのかくめい!」

 続いて、群雄割拠状態の女性声優ユニットシーンに革命を起こすべく登場したのが、8人の新人声優によって結成されたDIALOGUE+(ダイアローグ)。TVアニメ『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!』(TOKYO MXほか)のOP主題歌としてオンエア中のデビューシングル曲「はじめてのかくめい!」は、LiSAから内田真礼まで数々のアニソンシンガー/声優に楽曲を提供している田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)が作詞作曲を担当、そして彼とは初手合わせとなる田中秀和(MONACA)が編曲を手がけた、アニソンファンにとっては夢のような組み合わせの楽曲です。

 当然、田淵謹製のプログレッシブなようでキャッチー極まりないメロディと抜群に語感の良い歌詞、田中が得意とする技巧を凝らしたコード進行と賑々しいアレンジという両者の持ち味がいい具合にハモりあっていて、特に2番以降のあらゆるギミックを詰め込んだ展開は聴きもの。ライブにレコーディングに引っ張りだこのギタリスト・堀崎翔のエモいギターソロも絶妙です。そういった楽曲の個性をさらに輝かせているのが、メンバーたちの愛らしくて華やかな歌声。A・Bメロのソロパートで個々の魅力を見せつつ、サビでは一丸となって活力全開のユニゾンボイスを聴かせます。その圧倒的なエネルギーときらびやかさはまさに革命級。同じく田淵がサウンドプロデュースを務めたカップリング曲「ダイアローグ+インビテーション!」では、ZAQ(作詞・作曲)×堀江晶太(編曲)というこれまた豪華&意表を突いた組み合わせが実現しており、こちらもすこぶるアッパーでハイパーなポップチューンに仕上がっています。

 いずれも今回がデビュー作となるこの4組が、今後アニメ音楽のシーンを中心にどのような活躍を見せてくれるのか期待が高まるところ。TVアニメと併せてぜひチェックしてください。

【MV full size】Debut single「はじめてのかくめい!」【DIALOGUE+】
【DIALOGUE+】Debut singleカップリング「ダイアローグ+インビテーション!」【試聴Ver.】

■北野 創
音楽ライター。『bounce』編集部を経て、現在はフリーで活動しています。『bounce』『リスアニ!』『音楽ナタリー』などに寄稿。

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