LUNA SEA J×西川貴教、KID×lynch. 葉月、Migimimi sleep tight…コラボが生む新たな魅力

 9月15日放送の第3話で、ついに解禁された『仮面ライダーゼロワン』(テレビ朝日系)の主題歌「REAL×EYEZ」。この曲を歌うのは、西川貴教とLUNA SEAのベーシスト・Jである。

J×Takanori Nishikawa / REAL×EYEZ

 バンドを始めて間もないころからの旧知の仲である西川貴教とJは、歳も同じで、いわば“戦友”のような間柄だ。その2人によるコラボレーションがようやく実現した。令和ライダー1作目となる『ゼロワン』は、人工知能が物語のキーであるが、本曲は、生楽器による骨太なロックだ。ドライブ感のあるサウンドにのる両者の歌声は、まるで、ロックに目覚めたばかりのキッズのような高揚感と、キャリアを重ねた今もなお、進化を止めずに闘い続けている同志だからこそ生まれる、張り詰めた緊張感がある。

 ここ最近、このような盟友同士だけでなく、少し離れたシーンで活動するミュージシャンたちの共演など、意外なコラボレーションが目にとまる。 

潜んでいた一面を引き出した、彼女 IN THE DISPLAY featuring 葉月(lynch.)

彼女 IN THE DISPLAY『WILD ONES NEVER DIE』

 彼女 IN THE DISPLAY(以下、KID)は、ラウド、メタル、エレクトロなどの音楽要素だけでなく、アニメ、漫画、ファッションなど、自分たちを育てたあらゆるカルチャーを楽曲に取り込んできた福岡のバンドだ。そのKIDが、2019年9月をもって解散する。先頃リリースされたラストEP『WILD ONES NEVER DIE』には、V系バンド、lynch.の葉月(Vo)がゲストとして参加しており、しかも、葉月のTwitterによれば、歌のみでなく、作詞を含む曲作りにも関わったそうだ。

 「FAST feat.HAZUKI lynch.」と題されたその曲は、一聴すると、高速ツービートにシャウトが炸裂する、曲名通り、激しく駆け抜けていく1曲。しかし途中、葉月が歌い上げるメロディアスなパートになると、ガラリと空気が変わる。歌詞の内容こそ、解散していくバンドを送り出すニュアンスが感じとれるが、葉月特有の流れるような歌唱と、その後に続くRYOSUKE(Vo)の、ファルセットを駆使した歌声は、どことなくバンドが持つ揺らぎや不安定さを醸し出しているようでもある。そしてそれは、強さも弱さも正直に吐き出し、脆さを受け入れ、それでも固い意志で、周りをも奮い立たせる曲を歌ってきた、これまでのKIDのイメージとは少し異なるものであった。だが、そういう不安定さも持っているのが、バンドというものであることも、この曲からは感じさせられる。葉月の参加により、いつも“無敵感”に溢れていたKIDの、これまで表に出なかった一面を見ることができた。

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