安室奈美恵、ちゃんみな、崎山つばさ……DA PUMPメンバーが手掛けた振付の特徴
ここの夏、映画『劇場版仮面ライダージオウ Over Quartzer』の主題歌に起用された「P.A.R.T.Y. ~ユニバース・フェスティバル~」のコミカルさが話題を呼び、台湾の『超犀利趴10 (スーパースリッパ)』をはじめ各地フェスをも賑わせたDA PUMP。彼らはダンス&ボーカルグループとして各メンバーが高いスキルを持つことでも知られているが、その凄さの1つが社会現象ともなった「U.S.A.」の“いいねダンス”など、印象に残る振付をグループ内でクリエイトできることでもある。本稿では、振付師としても長いキャリアを持つKENZOを中心に、彼らの振付師としての魅力について考察したい。
DA PUMP「P.A.R.T.Y. ~ユニバース・フェスティバル~ Short version」
アイドルグループ・さくらシンデレラの新曲「ハロウィンモンスター」(9月25日リリース)を手掛けるTOMO、10~11月にNHK『みんなのうた』でオンエアされるDA PUMPの新曲「バケバケNight!」を手掛けるKIMI、10月5日スタートのアニメ『魔入りました!入間くん』(NHK Eテレ)のオープニングテーマに決定しているやはりDA PUMPの新曲「Magical Babyrinth」を手がけるDAICHIなど、DA PUMPメンバーはそれぞれ振付師としての顔も持っている。
中でも振付ユニット・ON TOP LINEの一員としても活躍するKENZOは、安室奈美恵、TRF、韓国のMYNAME、同じ事務所の後輩で育成にも携わってきたフェアリーズなど、多彩なアーティストの楽曲振付を手掛けており、その数は100曲以上に上る。最近では「U.S.A」「P.A.R.T.Y. ~ユニバース・フェスティバル~」を共作したTOMOとのコンビで人気2.5次元俳優・崎山つばさの「ダンシング☆サムライ」「太陽系デスコ-崎山つばさver.-」といった作品も手掛け、MV公開後は誰でも真似できるキャッチーな振付がSNSで話題をさらった。
崎山つばさ「太陽系デスコ-崎山つばさver.-」
またDA PUMPは現在のダンスシーン人気を牽引する存在ということもあり、KENZO&TOMOのコンビで、来場者のアバターがステージで踊る超新感覚エンターテイメント『NO BORDER』(@COOL JAPAN OSAKA SSホール)のパフォーマンス振付を、KENZOが“会って話せるイケメンARダンスボーカルグループ”ARPの新曲「Burn it up」の振付を手掛けるなど、最新テクノロジーとコラボしつつ新たな作品を生み出しているのも特徴的だ。
ARP「Burn it up」
KENZOのこれまでの作品を見ていくと、ストリート色を強調した安室奈美恵「Damage」(2012年)や、まるでダンスショーのようなスケール感のTRF「PUSH YOUR BACK」(2013年)、キュートな中にもシンクロ感が光るフェアリーズ「Super Hero」(2014年)、セクシーなレゲエフレイバーのちゃんみな「CHOCOLATE」(2017年)、スタイリッシュな雰囲気のARP「Burn it up」など、振付に本人のルーツであるロックダンスなどオールドスクール系の動きが多めに盛り込まれているわけではなく、その引き出しが多種多様であることがわかる。どちらかといえば振付の中で、アーティストの魅力や持てるスキルを丁寧に引き出している印象だ。