DA PUMPは現代のリアルヒーローに? 世代を超えて“楽しい”を伝える楽曲の特徴

 DA PUMPが、新曲「P.A.R.T.Y.~ユニバース・フェスティバル~」をリリースした。3月に「桜」、8月に「P.A.R.T.Y.~ユニバース・フェスティバル~」と、今年はハイペースなリリースが続いているDA PUMP。2018年「U.S.A.」の大ヒットを経て、自分たちが今すべきことをしっかりと見据えた活動を行っている印象だ。その心意気は、楽曲にもしっかりと表れていた。

これからのDA PUMPを表すようなリリック

DA PUMP『P.A.R.T.Y. 〜ユニバース・フェスティバル〜』

 前作の「桜」は「U.S.A」からのグループの好調ぶりを一過性のブームにしないという決意のにじむ歌詞だったが、「P.A.R.T.Y.~ユニバース・フェスティバル~」はDA PUMPらしく輝いていこうという希望の見えるものになっている。それが表れているのが〈エンジョイしなきゃもったいない〉や〈“らしさ”が[つまり自然体]〉などのフレーズだろう。

 また、今作は“虹”も大事なキーワードとなっている。ISSAが『火曜サプライズ』(日本テレビ系)に出演したとき、番組MCを務めるヒロミが次作のタイトルについて「虹」を提案。さらに、MVにはヒロミとともに同番組に出演する藤森慎吾(オリエンタルラジオ)が出演している。出会いを点で終わらせずに線にしていくところもDA PUMPらしさだろう。メンバー7人で個性豊かな7色の光を放ちステージを彩る彼らには、〈レインボーは空だけじゃない〉という歌詞もぴったりである。

かっこいいダンスを民主化する

 「U.S.A」の“いいねダンス”、「桜」の“サクラフィンガー”に続き、「P.A.R.T.Y.~ユニバース・フェスティバル~」においても思わず真似したくなるダンスが仕込まれている。

 今作のポイントは全部で3つだ。

 1つ目は、サビで登場する“バイーンダンス”である。自由にリズムをとり、キメのタイミングにハンドルを止めるような動きでバイーンと体を揺らす。元ネタはアメリカのSNSを中心に流行った“WOAHダンス”。K-POPユニットや日本のダンスボーカルグループでも積極的に取り入れられている、最近流行りの振付だ。

 2つ目は、曲の中盤に出てくる“ゾンビウォーク”。肩をあげ腕をだらんと垂らした状態で、足と頭を左右に震わせながら前進する動きだ。こちらの元ネタは、Electric Boogaloosのメンバーとして活躍し今も世界各地でワークショップを開催しているMr.Wiggles。ポッピンの発展に貢献した彼のダンスを、新しいものとして今の世代に伝えることに一翼を担っている。

 そして3つ目のポイントは、サビで登場する“レインボージャンプ”だ。大きく腕を広げて、おっとと……と円形状に広がって戻ってくるモーションは、歌詞に虹が入るということでダンスにも入れ込まれた。難しい動きではなく大勢で盛り上がることができるため、大人子ども関係なくダンスを楽しむのにぴったりだ。このほかにも『うちのガヤがすみません!』(日本テレビ系)をきっかけに生まれた“省エネダンス”など、思わず真似したくなる振りがいたるところに散りばめられている。

 そんな振りが盛りだくさんの曲を披露するDA PUMPは、まさしくダンスの民主化を進める存在ではないだろうか。流行りの振付や歴史的なダンスを取り入れキャッチーに仕上げることによって、いろんな人がダンスに触れる機会を彼らは作っている。そして、ダンスが楽しいものだということを世間に伝えているのだ。

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