シングル『無謬の花』インタビュー
Mia REGINAが明かす、3人ならではの表現への気づき「それぞれが思う100点のパフォーマンスを」
「恋愛感情ゼロで歌っているところを聴いてください」(楓裏)
ーーレコーディングはスムーズでした?
若歌:急に音階が上がったり、変化球のようなメロディの移動の仕方をする……曲自体がちょっと“変態的”な感じがして、それがいいなと思いつつも、そこに難しさも感じました。バラードを歌い慣れていないということもあって、私はちょっと試行錯誤しましたね。
楓裏:テンポ感としては「Dear Teardrop」と近いんだけど、全然違う曲だし、またあらためてこの曲に似合う歌い方を考えるのにはちょっと悩みました。
ーーリス子さんは?
リス子:最初「バラードなんだから、みんなをふわっと包み込むような慈愛に満ちた歌い方がをするのが一番かな」とも思ってたんですけど、それがイヤで。
ーーそれはなぜ?
リス子:この曲ってみんなに対する愛の歌ではないじゃないですか。ひとりの人に対する愛の歌だから、なるべく対象を狭め狭めにする歌い方をしようと思っていて。とにかく狭い愛を表現することを心がけました(笑)。
ーーそしてカップリング1曲目のタイトルは「モバイルバッテリー」。「無謬の花」と同じ松井さん作詞なんだけど、今度は身近にもほどがある単語が飛び出してきましたね。
一同:あはははは(笑)。
ーーで、サウンドは正統派のスカ。スカパンク的な激しさや速さはないんだけど、この絶妙なテンポ感の曲を今の時期に聴くとホントに気持ちいいんですよね。
リス子:避暑地で聴いてる感じですよね。
若歌:山にキャンプに行ってビールを飲んでる、みたいな。
リス子:えーっ、私、軽井沢がいい(笑)。
ーーテントよりもペンションに泊まらせろ、と(笑)。
リス子:カバーアルバムの『RE! RE!! RE!!!』の中でmanzoさんの「マイペース大王」をカバーさせてもらったんですけど、それがスカアレンジだったので、これはその続編という感じ。デモをいただいたとき「おっ、この路線で来たか」って感じだったんですけど、実はカップリング曲の選曲には水島精二監督が携わってくださっていまして。昔から私たちのことを知ってくださっている方だからこそ「マイペース大王」を踏まえた上で「今のMia REGINAにはこういう曲がいいだろうな」と思ってくれたんだろうな、と思ったら、また面白かったですね。
若歌:それに『純正エロティック』のカップリングの「ピンヒール・ムーン」もビッグバンドテイストだったので、ブラスをフィーチャーしたこの曲も今のMia REGINAっぽいなって思いました。
ーーモバイルバッテリーを元気を充電するためのアイテム、誰かと誰かをつなぐアイテムに見立てる歌詞についての印象は?
若歌:しかもこの曲、ラブソングじゃないのが面白いんですよね。このヒロインが歌いかけてる相手は男の子だと思うんです。しかも男の子側には恋愛感情があるんだけど、こちら側にはまったくそういう感情がないという(笑)。
ーー彼の愛に応えてあげてくださいよ。
若歌:彼はただの付き合いの長い友だちなので(笑)。
リス子:または仕事の部下の男の子が失敗をしちゃったから「はいはい、どうしたー?」って愚痴を聞いてる感じ。ラブはゼロですっ!
ーーその設定を踏まえた上で聴き直すと面白いですね。相手の恋愛感情を知っておきながらもシカトする歌(笑)。
楓裏:恋愛感情ゼロで歌っているところをぜひ聴いてください(笑)。
リス子:でも愚痴を聞いてあげるくらいの面倒は見てますから。
若歌:恋愛感情がゼロすぎるだけに、逆に〈ホントに…バカでしょ〉っていうフレーズの〈バカ〉がキツくなりすぎないように気をつけました。