シングル『無謬の花』インタビュー
Mia REGINAが明かす、3人ならではの表現への気づき「それぞれが思う100点のパフォーマンスを」
Mia REGINAがニューシングル『無謬の花』をリリースした。
このシングルの表題曲は現在放送中のTVアニメ『可愛ければ変態でも好きになってくれますか?』(AT-X、TOKYO MXほか)のエンディング主題歌。アコギやピアノ、ストリングスをフィーチャーしたオーガニックなバラードナンバーだ。
今春よりライブにリリースにと半ばワーカホリック気味に活動を展開しているMia REGINAにとって、果たして今回の正統派バラードはどんな1曲なのか。彼女たち、そして最新ナンバーの現在地を探った。(成松哲)
「合わせない」ことで生まれる唯一無二のアンサンブル
ーー令和になる直前くらいからここまで、Mia REGINAさん、忙しすぎません?
一同:あはははは(笑)。
ーー4月にアニメ『せいぜいがんばれ!魔法少女くるみ』の主題歌集をリリースして、翌月にはアニソンカバーアルバム『RE! RE!! RE!!!』を発表。6月にはレーベルのフェス『ランティス祭り2019』に出演して、今月はシングル『無謬の花』をリリースする、と。しかもその間、対バンライブなんかにもチョコチョコ出ていますよね。
霧島若歌(以下、若歌):さらに来月ワンマンライブがあるんですよ。
ささかまリス子(以下、リス子):回遊魚なんで(笑)。
ーー動いていないと死んじゃう?
上花楓裏(以下、楓裏):このくらいが普通のペースだと思っているので、なにか仕事や用事がないと心配になってきちゃいますね。
ーーで、そのシングル『無謬の花』なんですけど、まずガツンとくるタイトルですよね。
楓裏:私たち自身、初めて聞かされたときは「これなんて読むんですか?」って感じでした(笑)。
リス子:あと漢字が全体的に四角い!(笑)。作詞家の松井洋平さん(TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND)に以前書いてもらった曲のタイトルが「ガールズ・オンリー・ミラクル!」だったから「おーっ、180°違う」ってビックリしました。でもすごく文学的な、“タイトル感”のあるタイトルですよね。
ーーで、サウンドもタイトルどおりというか、ガッツリ聴かせるバラードで。この曲が『可愛ければ変態でも好きになってくれますか?』というタイトルのアニメのエンディングテーマだって初めて聞いたときにはちょっとビックリしました。
若歌:私も原作のライトノベルを読んでいなかったので、タイトルの印象でワイワイした、いわゆるハーレムアニメなのかな、と思っていて。「そのエンディングがこんなにしっとりしたバラードでいいのかな?」って思ってました。
ーーでもタイトルの強烈さとは裏腹に、エロティックなギャグが連発されはするんだけど、比較的抑制の効いたコメディだから……。
若歌:出てくる女の子は確かに変なんだけどすごくキレイな作品だから、このエンディングがちゃんと似合ってますよね。自然とエンディングに入れるというか。
ーーこのアレンジについては? アコギとピアノを中心に構成していて、途中から生のストリングスが入ってくる、ホントにナマ感のあるシンプルにいい曲ですよね。
楓裏:バラードが好きなのでシンプルでいいな、って思ってました。
ーー昨年、ミディアムバラード「Dear Teardrop」についてお話をうかがったとき(参考)にもそう言ってましたもんね。
楓裏:速い曲って噛みがちなんですよ(笑)。このくらいのテンポだと気持ちを込めて歌いやすいんですよね。
リス子:私もミュージカルが好きだったりするので、こういう大胆なメロの移動がある情感込もったバラードは好きなので「たっぷりと歌える曲だ!」ということで楽しく歌わせてもらいました。
若歌:「Dear Teardrop」や『RE! RE!! RE!!!』でカバーさせてもらった「タキシード・ミラージュ」くらいしか、3人でバラードを歌う機会がなかったので、それもちょっとうれしかったですね。新しい挑戦のような気がして。
ーー「Dear Teardrop」のインタビューのとき、あのシングルが第2期Mia REGINAのスタートの1枚になったとおっしゃっていましたよね。
リス子:はい。
ーーで、その後カバーアルバムをリリースして、今回はガッツリ、バラードを歌い上げている。今のMia REGINAチームってどんな作戦を立ててるんですか?
リス子:カバーアルバムで方針がハッキリした気がします。『純正エロティック』というシングルをリリースした頃(参考)、このあとの私たちの行く先がなんとなくモヤっと見えてきて、『RE! RE!! RE!!!』で「はい、はい、はい。わかった、わかった」ってなった感じで、その結果がこのシングルに落とし込まれてるのかな、って思ってます。
ーーその“わかった”ものって具体的に言葉にできたりします?
リス子:3人で合わせない!
ーー合わせない?
リス子:「声のキャラクターや歌い方を3人で一生懸命揃えて平均点を叩き出しましょう」じゃなくて、それぞれが思う100点のパフォーマンスをとりあえずやってみることにしたんです。「若歌様はどうするの?」「楓裏さんはどうする?」って周りをキョロキョロしながら歌うと平均点は取れるかもしれないけど、その平均点自体が下がっちゃうので。なのでほかの2人のことは考えず自信を持って、私は私の考える100、若歌様も若歌様の100、楓裏さんも楓裏さんの100を発揮したほうがいいパフォーマンスを発揮できることに気づいたんです。