稲垣吾郎×鈴木聡が語る、佐山雅弘の音楽とジャズが舞台にもたらすライブ感

稲垣吾郎×鈴木聡、ジャズと舞台の魅力

稲垣吾郎、音楽のルーツ

――最後に稲垣さんの音楽の話も伺いたいんですが、いいですか?

稲垣:もちろん、もちろん。

――僕もそうなんですが、稲垣さんのことを特別な存在として見ている音楽ファンが少なくないと思うんですが、その自覚はありますか?

稲垣:それってもしかして若いころからフィッシュマンズに曲を書いてもらったりとか、そういうことですか?

――そうです! あと、20年くらい前に『bounce』というフリーマガジンに稲垣さんが選んだ「無人島にまで持っていきたい愛聴盤」という記事があったのは覚えていますか?

稲垣:覚えてます。若い時になかなかのセレクションをしているんですよ。The Isley Brothersの「Summer Breeze」とか、The Velvet Undergroundの「Sunday Morning」とかね。「Summer Breeze」はいいですよね、今でもよく聴きます。

鈴木:趣味がいいんだ。

稲垣:いや、この頃は気取ってたんですよ。

鈴木:背伸びしてたって感じ?

稲垣:もちろん。背伸びですよ、でも、背伸びだけど嘘じゃないから。

――ラインナップをメモしてきたんで、どうぞ。

稲垣:デヴィッド・ボウイ「Ziggy Stardust」、フランスのポップスの歌手ルナとかね。面白いんですよね、このルナって。最近久しぶりに聴きました。実はね、もっとリアクション出来たら良かったと思うんですけど、この記事を最近見ちゃったんですよ。ラジオを聞いてくれているファンの方が送ってくださって、2カ月くらい前に。

鈴木:すごくマニアックだね、これ。吾郎くんってこんな音楽が好きだったんだ。

稲垣:周りにそういう人が多かったんですよ、DJとか音楽が大好きなファッションデザイナーとかもいたし。あと、坂本龍一さんにかわいがっていただいたりして、いろんな音楽を教えてもらいました。渋谷系が流行ってた頃だったから、オザケン(小沢健二)くん、カヒミ・カリィさん、小西(康陽)さんとかに夜の街で会ったり。僕はアイドルだったけど、そういった人たちが周りにいて、一緒に遊んでたんですよ。この頃はフリッパーズ・ギターとかも聴いていたし、洋楽も聴いてましたね。

――デヴィッド・ボウイが好きなんですよね? さっきの記事でもボウイ・ファンという話がありました。

稲垣:デヴィッド・ボウイには一度はお会いしたかったですね。僕は『SMAP×SMAP』でジェームス・ブラウンからレディ・ガガ、ジャズティン・ビーバーまでいろんな方に会うことができました。でも、デヴィッド・ボウイには会えなかった。会うことが全てではないんだけど、すごく好きで、尊敬する、憧れの人ですよね。ビジュアルも含めて、ファッションもそうだし、いろんなものを好きになったきっかけになった人でもあったから。デヴィッド・ボウイはずっと好きですね、今でも聴きます。

――そういう音楽はどういうきっかけで知ったんですか?

稲垣:全部友達からの影響ですね。20代のころ、カルチャー好きの友達が多かったのが僕のルーツだと思います。フィッシュマンズに曲を書いてもらったのも、フィッシュマンズの大ファンだった友達がいて、彼が聴いていて僕も好きになったから、それをスタッフに話したら楽曲提供が叶った形です。今になって『恋と音楽』をやってからジャズとか、『No.9 -不滅の旋律-』をやってからベートーヴェンとかクラシックとかも好きになって、僕の中で今音楽はすごく面白いですね。最近の新しい音楽だと、BiSHって知ってます? 「楽器を持たないパンクバンド」というコンセプトの女の子たちで、欅坂46とももいろクローバーZを足したような印象を受けました。ももクロのけなげで一生懸命で応援したくなる感じがあるから、ももクロファンの鈴木さんは好きだと思いますよ! この前、『7.2 新しい別の窓』(Abema TV)の生放送で共演したんですよ。音楽も歌詞もすごく良かったのと、本人たちがすごく力強いんだけど、壊れやすい感じもあって、魅力的でしたね。だから、今の音楽もハマって聴いてたりしますよ。貪欲ですね、音楽に関しては。

――ラジオ番組『編集長 稲垣吾郎』(文化放送)でもよく新しい音楽をかけてますよね、最近でもTHE NOVEMBERSとか。

稲垣:THE NOVEMBERSはフィッシュマンズを教えてくれた友達の影響なんですよ。LAD MUSICIANってブランドのデザイナーの黒田雄一くんと仲が良くて、彼の影響を受けたのが大きいんです。彼の周りにテイ・トウワさんとかがいたり、DJをやっている人がいたり、そういう人たちがみんな繋がっていて。僕の音楽のルーツはそこなんですよね。

(取材・文=柳樂光隆/写真=伊藤惇)

■公演情報
『君の輝く夜に~FREE TIME, SHOW TIME~』
作・演出:鈴木聡
音楽:佐山雅弘
出演:稲垣吾郎/安寿ミラ 北村岳子 中島亜梨沙
演奏:佐山こうた(pf) 高橋香織(vln) バカボン鈴木(b) 三好´3吉´功郎(g) 仙波清彦(perc)
会場:日本青年館ホール

<公演日程>
2019年8月30日(金)〜9月23日(月・祝)
<開演>
火曜・金曜19時、水曜14時・19時、木曜14時、土曜13時・18時、日曜祝日13時
月曜日休演
※但し、1日(日)12時開演、8日(日)18時開演あり、13日(金)14時開演、15日(日)休演、16日(月・祝)13時開演あり、19日(木)19時開演

<入場料>
S席10,000円 A席8,000円 
※未就学児の入場不可、営利目的の転売禁止

<企画・製作>
(株)モボ・モガ

<公演に関するお問い合わせ>
モボ・モガ公演窓口 03-6206-1820(土日祝を除く11:00~19:00)

公式HP

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