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水樹奈々、声優アーティストのトップランナーたる所以ーー20年の歴史感じる過去作から辿る

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 今年12月にアーティストデビュー20周年イヤーを迎える水樹奈々が、これまでにリリースしてきた楽曲とMVのストリーミング配信を各サブスクリプションサービスにてスタートした。その全58タイトルは、20年の歴史を感じさせるボリューム感であり、彼女の楽曲の魅力とずば抜けた歌唱力に改めて驚かされ、彼女が声優アーティストのトップランナーたる所以を再確認することができる。

J-POPと演歌/民謡を融合した表現

 声優とアーティストという二足のわらじで、声優/アニソン界のトップランナーとしてシーンを牽引している水樹奈々。群を抜くハイレベルな歌唱力には定評があり、それは幼少期からデビュー前まで演歌/民謡を習っていたことで基礎が培われた。最新アルバム『NEOGENE CREATION』(2016年)の1曲目「めぐり逢うすべてに」の随所で聴かせる独特のビブラートは、彼女のルーツにある演歌/民謡の“こぶし”をポップスの歌唱法に取り入れることで生まれた。そうした独自の歌唱法は、各楽曲の随所で聴くことができ、特にマッチするのが歌謡曲調のメロディや和の要素のある楽曲だ。「夢幻」(2009年)や「純潔パラドックス」(2011年)「悦楽カメリア」(2009年)などは、日本的な要素と妖艶さがマッチした楽曲として人気が高い。また包み込むような温かさを持った「愛の星」(2013年)などのバラードも人気が高く、『NEOGENE CREATION』のラストに収録された「絶対的幸福論」では、バンドサウンドのミディアムバラードで新しい一面を見せた。日常感があふれる歌詞と、どんなに抑えてもどうしようもなく感情がこぼれ落ちるような表現は、実に聴き応えがある。

 彼女の歌の根幹にあるのは、応援歌であるということ。「POP MASTER」や「STARTING NOW!」などが代表的で、自身の弱さをさらけ出しながら、それでも力強く前に進む姿を見せることで、聴く者に希望の光を与えてくれる。彼女自身が声優として参加するアニメ作品のタイアップ曲では、実に巧みに物語により沿いながら、聴く者を奮い立たせてくれる。

 例えばアニメ『魔法少女リリカルなのは』シリーズは、水樹自身もフェイト・テスタロッサ役で出演し、彼女にとってのライフワークのような作品として位置づけられている。これまで関連楽曲を10曲以上手がけ、それらの楽曲のいずれも、根底には聴く人の背中を押したいという願いが込められている。中でも「ETERNAL BLAZE」(2005年)では、オリコン2位を記録して転機となった。熱さのあるサウンドとメロウなメロディラインが合わさった楽曲で、切なくエモーショナルなサビが胸を締め付ける。水樹が手がけた歌詞は、幼い少女たちが戦うことの意味や、その裏側にある友情や悲しみ、温かさなどに寄り添いながら、最後にはしっかりと前を向く姿を見せてくれて胸を熱くさせる。同様、劇場版『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st』の主題歌「PHANTOM MINDS」は(2010年)、声優で初めてオリコン1位を獲得する快挙を成し遂げた。アッパーの楽曲ながら切なさと儚さが同居した雰囲気の曲で、ファルセットを多用した流麗なサビメロや聴く者を惹きつけるロングトーンなど、様々なテクニックから生み出される水樹ボーカルの魅力が詰まっていて人気が高い。

      

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