HOWL BE QUIET × WEAVER 『Screen0』Shibuya WWW X
新生HOWL BE QUIETに感じたピアノロックの高いポテンシャル WEAVER迎えた『Screen0』
また、この4人で鳴らすメジャーデビュー曲「MONSTER WORLD」は縦のビートというよりしなるようなグルーヴが感じられる。デビュー当時のナンバーが続き、生音EDM的な「レジスタンス」もグッとタフになった印象で黒木がギターでアイリッシュ調のソロ、そして何より今、〈つまずいても抗って 諦めてなんかやんねぇぞ ここから また 歌えるんだ〉という歌詞は以前と違う温度感で響く。そして新作の制作が現実味を帯びた時点で唯一存在していたという「ヌレギヌ」。リフレインする〈君のせいだからね〉のメロディのハマりの良さ、思わずシンガロングしたくなるコーラス。さらに、本編ラストはメランコリーを含んだ夜明け前のようなメロディが印象的なピアノから始まる「Dream End」。恋愛の複雑な感情をリアルな歌として届けることができるのも竹縄の作詞家としての無二の魅力だが、新作のラストナンバーでもあるこの曲では、“人として腹をくくらなければ”という覚悟に揺さぶられる。アレンジの緩急も潔く、竹縄のピアノがフィーチャーされるヴァースと、黒木のソロが映える部分の明快な分離もいい。竹縄のエモーションが歌とピアノにダイレクトに反映しつつ、大げさにならないのだ。カタルシスを生むいいメロディに本音の言葉とエモーションを内包した声。これはいまのHOWLの心臓部と言えるだろう。
アンコールで竹縄と杉本が連弾でHOWLの「サネカズラ」とWEAVERの「僕らの永遠~何度生まれ変わっても、手を繋ぎたいだけの愛だから~」を披露したのはピアノ&ボーカルならではの息の合い方だったし、様々な世代が笑顔になれるシーンだったと思う。
ライブにはもちろん熱さがあるが、歌とメロディがここまですんなり入ってくるバンド形態としてのピアノロックにはまだまだ高いポテンシャルがある。HOWL BE QUIETが新作を携えて本格的に活動を軌道に乗せたと同時に、このシーン自体の動向もますます楽しみになる2マンだった。
(写真=山川哲矢)
■石角友香
フリーの音楽ライター、編集者。ぴあ関西版・音楽担当を経てフリーに。現在は「Qetic」「SPiCE」「Skream!」「PMC」などで執筆。音楽以外にカルチャー系やライフスタイル系の取材・執筆も行う。
■配信情報
「fantasia」
配信サイトまとめ
■リリース情報
『Andante』(読み:アンダンテ)
7月31日(水)発売
価格:¥2,484(税込)
<収録内容>
1.覆水盆に返らず
2.fantasia
3.ヌレギヌ
4.Reversi
5.バーバラ
6.名脇役
7.幽霊に会えたら
8.Dream End
<オリジナル特典>
全国CDショップ:HOWL BE QUIETオリジナルクリアファイル
Amazon:「Andante」デカジャケット
※デカジャケットはジャケット写真の絵柄をそのまま24cm×24cm大の厚紙に印刷したもの
《HOWL BE QUIET『Andante』リリース記念イベント》
【日程】2019年8月10日(土)19:00スタート
【会場】 タワーレコード池袋店 イベントスペース
東京都豊島区東池袋1-50-35 池袋P’パルコ
詳細はこちらから
【日程】2019年8月11日(日)16:00スタート
【会場】タワーレコード梅田NU茶屋町店イベントスペース
大阪府大阪市北区茶屋町10-12 NU chayamachi 6F
詳細はこちらから
■ツアー情報
『Andante TOUR』
9月1日(日)千葉LOOK 17:30/18:00
9月8日(日)仙台enn 2nd 17:30/18:00
9月21日(土)福岡INSA 17:30/18:00
9月23日(月・祝)名古屋JAMMIN 17:30/18:00
9月28日(土)広島BACK BEAT 17:30/18:00
9月29日(日)大阪JANUS 17:30/18:00
10月3日(木)恵比寿リキッドルーム 18:00/19:00
■配信情報
HOWL BE QUIET
「ヌレギヌ」
作詞・羽生まゐご、HOWL BE QUIET/作曲・竹縄航太/編曲・TAKU INOUE、HOWL BE QUIET
詳細はこちら