東方神起、KAT-TUN、ヒゲダン、w-inds.、THE RAMPAGE……“踊れる”新作ポップスを紹介

 今週リリースのアイテムを紹介するこの連載、今回のテーマは“最新のダンスミュージックを取り入れたアジアンポップスの最新型”。15周年イヤーを迎えた東方神起の両A面ニューシングル、シングル曲を収録せず、ライブを意識した新曲を中心に置いたKAT-TUNのニューアルバムなど、“踊れるポップス”としての機能を備えた新作を紹介します。  

東方神起『Hot Hot Hot / ミラーズ』

 15周年イヤーに突入し、2019年11月から2020年1月にかけて4度目の全国5大ドームツアーも決定。再び上昇気流に乗った東方神起から両A面シングル『Hot Hot Hot/ミラーズ』が届けられた。エレキギターを鋭利にピッキングしたフレーズ、骨太にしてシンプルなビートとともに(タイトル通り)夏の雰囲気と“熱く盛り上がろう!”という思いをストレートに描き出すサマーチューン「Hot Hot Hot」。そして、シンフォニックな響きを活かしたトラックと男気溢れるボーカル、〈真実はどこだ?どこだ?消えるのか?〉というフレーズがひとつになったロッキンなヒップホップ「ミラーズ」。両極端の2曲から伝わってくるのは、ユンホ、チャンミンの表現力、パフォーマンス力のさらなる向上だ。二人ともすっかり大人の男。年齢を重ねるごとに魅力を増す、理想的なキャリアが続いている。

東方神起 / 「Hot Hot Hot」Music Video(Full Version)

 前作『CAST』から約1年ぶりのリリースとなるニューアルバム『IGNITE』にはシングル曲が一切収録さていない。その結果として本作は、“火”というコンセプトのものと、ライブ感の溢れたアッパーチューンを中心に統一感のある作品へと結実している。まさに火を噴くようなギターサウンドに導かれたハードロックナンバー「GO AHEAD」(ドラマ『節約ロック』主題歌)、超アッパー系のエレクトロトラックと“ぶち上げろ!”と鼓舞する「Fly like a ROCKET」などインパクトのある楽曲が揃っているが、なかでも印象的なのはリード曲「DANGER」。攻撃的なラップをぶつけ合い、解放感のあるサビへと突き進むこの曲は、KAT-TUNの新たなライブアンセムとして浸透するだろう。「We are KAT-TUN」とタイトルされたボーナストラックも必聴。

Official髭男dism『宿命』

 「Pretender」がオリコン週間ストリーミングランキングで8週連続1位を記録(7月22日付)、7月8日に初の日本武道館公演を成功させるなど、Official髭男dism。完全にブレイクを果たし、この国のポップシーンのど真ん中に躍り出た“ヒゲダン”の新曲「宿命」は2019ABC 夏の高校野球応援ソング/『熱闘甲子園』(テレビ朝日系)テーマソング として制作されたナンバー。華やかなホーンセクションで幕を開け、(このバンドの最大の特徴である)ブラックネスを感じさせるトラックメイク、ドラマティックなメロディラインによって聴く者の心をしっかりと鼓舞する楽曲に仕上がっている。現在進行形のグローバルポップとドメスティックな大衆性を自然につなげるセンスはさらに向上。共同アレンジャーの蔦谷好位置の的確な仕事ぶりにも脱帽である。

Official髭男dism - 宿命[Official Video]

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる