サザンオールスターズの40周年ツアーは“これから”を見せていた 東京ドーム公演を振り返って

サザン40周年ツアーが見せた“これから”

 桑田佳祐がこの1年、もっとも多く発した言葉は「ありがとう」ではないだろうか。ライブでも、テレビの特番でも、自らMCを務めるラジオ番組でも、桑田は40周年という節目に際して、その活動を支えてきたスタッフやミュージシャン、メンバー、そしてファンに対して、繰り返し感謝の言葉を送ってきた。今回のツアーを経て思うのは、それは「これまでありがとう」ではなく、「これからもよろしくね」が詰まったものであるということ。全36曲/3時間半に及ぶライブ、しかも2daysという過酷なステージで、40周年というキャリアを持つ国民的バンドのサービス精神はまったく薄れず、全国のドームで「読売ジャイアンツの大ファンだ」と語り、巨人のホームである東京ドーム以外ではブーイングも浴びてきたという松田弘(Dr.)、愛のある“イジリ”でメンバー紹介を飛ばされても、変わらぬ笑顔の野沢秀行(Per.)、急に「ダンサーになりたかった」と夢を語り、チャーミングなダンスを披露する関口和之(Ba.)、「還暦過ぎてもバンド女子」の名フレーズで観客をわかせる原由子(Key.)ーーと、気負いなく、ゆったりと新たな一歩を刻むメンバーの姿が見られた。

 遠からずリリースされるだろう新作とともに、早くも次のライブが楽しみになる、理想的なツアーファイナル。サザンの時代は、まだまだこれからも続きそうだ。

(文=編集部/写真=西槇太一)

オフィシャルサイト

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる