Dolce、新時代のアイドル誕生 HoneyWorks×浦島坂田船&すとぷりメンバーのタッグが生む“夢”

 デザートのようなワクワク感を与え、甘く柔らかな歌声でリスナーを包むDolce(ドルチェ)。彼らは、音楽や小説などの幅広いフィールドで青春や恋愛に特化した作品を展開する大人気ユニット、HoneyWorksがプロデュ―スした、男性5人組アイドルユニットだ。

V.A.『恋より甘いDolceはいかが?』

 Twitter公式アカウントにて彼らの始動が告知されたのは、2018年2月22日。豆井戸宜利翔役には、HoneyWorksの作編曲、プロデュースを担当する、Gom(いそろく)を、白雪風真役、眠桔平役には男性6人組エンタメユニット・すとぷりに属し、HoneyWorksの『告白実行委員会』シリーズ『いつだって僕らの恋は10センチだった。』アニメーションPV第2弾で初の声優を務めた莉犬(声優名義:こいぬ)、るぅとを、灰賀一騎役、塔上沙良役には、男性4人組グループ、浦島坂田船に属し、女性向けボイスアプリ『シチュカレ』の千里役などを務めたことがある、あほの坂田(声優名義:坂田明)、もともと声優志望であり、いまでは数々の声を担当する、うらたぬき(声優名義:浦田わたる)を抜擢。個人の活動のほか、グループでも活躍し、昇竜の勢いで名声を博している歌い手、声優でもあるアーティストを中心にしたユニットであることは特筆すべき点だ。

ベビベビ/Dolce
イロドレ/Dolce

 HoneyWorksはこれまでにも、ウタカツ!オーディションでグランプリに輝いたボーカリスト・CHiCOとのユニット、CHiCO with HoneyWorksや、『ハイキュー!!』月島蛍役の声優・内山昂輝が演じる勇次郎と、『Free!』七瀬遙役の声優・島崎信長が演じる愛蔵による2人組ユニット、LIP×LIP(リップリップ)をプロデュースしてきたが、なかでも、Dolceはマルチメディア的な展開で、10代を中心とした女子を沸かせている印象が強い。今回はDolceの作品から、その人気の秘密を紐解いていく。

 Dolceは例えば、アイドル育成ゲームのように、リスナーがアイドルを直接的にプロデュースするものではない。7月1日に発売したHoneyWorks原案の小説『Dolce アイドルが恋しちゃだめですか?』に描かれているのは、Dolceの大ファンである、中学3年生の女子・王子宇瑠の隣家に偶然にもDolceのメンバーが引っ越してきたところを境に、彼女と彼らの距離が急接近していくという夢のあるストーリー。他人のストーリーを客観的に見るような形になるも、アイドルを応援する王子宇瑠の存在は、歌い手を応援するリスナーと重なる部分があるからこそ、リスナーはより、王子宇瑠を自分に置き換えることができる。このように、感情移入しやすい夢のあるストーリーが、女子たちの心を惹きつけるポイントとなっているのだろう。

 また、Dolceは、漫画、小説、音楽という多角的な展開でストーリーに一層の深みを持たせている。6月5日に発売した1stアルバム『恋より甘いDolceはいかが?』に収録されたソロ曲「なでなで-N.Edit-」では、白雪風真が、幼馴染である灰賀一騎との友情を歌い、「アイドルが恋しちゃだめですか?-N.Edit-」では、塔上沙良が、王子宇瑠への恋心を歌うように、漫画や小説に描かれているアイドルの個性、ストーリーを歌にすることで、楽曲のみでは表せないストーリーの奥深さを表現している。10代を中心としたリスナーには、楽曲に関して自分なりに考察をする人が多いが故に、全方位により、ストーリーを浮き彫りにしていくことが、10代の想像力を掻き立てることに繋がっているのかもしれない。

アイドルが恋しちゃだめですか?-N.Edit-/塔上沙良(CV:浦田わたる)

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