12カ月連続配信リリース第1弾「KISS.」インタビュー
FUKIが語る「KISS.」への思いと12カ月連続リリースへの挑戦「大切なのはやっぱり“今”」
“キス”は単語ではなくセンテンス
ーー曲に関してはどうやって作っていきましたか?
FUKI:今回はラップ調の歌を盛り込んだものを作ってみたかったんですよ。なので、Aメロ、Bメロはちょっとフロウを感じられるようなものにして。そこは案外スラスラと作れましたね。ただ、サビはけっこう悩んだというか。優しい聴き心地のあるいいメロディを探すまでにプロデューサーのEIGOさんと一緒に何度もやり直しながら、追及して作っていった感じでした。
ーーラップパートを入れようと思ったのはどうしてだったんですか?
FUKI:今の自分のモード、ですかね(笑)。今回のプロジェクトはその時々の自分の気分を大事にしたいと思っているところもあるので。ラップっぽい部分は歌詞を書くのも歌うのもすごく楽しかったですよ。言葉数を多く詰め込むことで思いがより伝えられる実感があったし、韻を踏むことを意識するのも普段の作詞とは全く違うアプローチだったからすごく新鮮で。普段の私はメロディから作ることが多いけど、ラップの部分は歌詞先行で作っていきましたしね。
ーーラップのレコーディングもスムーズに?
FUKI:楽しみながら臨めたけど、難しさはやっぱりあったかもしれないですね。私の場合、どうしてもラップもメロディっぽくなりすぎちゃう感じがあって。そこは元々ラッパーだったEIGOさんに「もっと音程をなくして」みたいなディレクションしてもらいながらやっていきました。実際、EIGOさんがラップしてくれたものを聴いて、それをコピーしつつ。
ーーBメロではFUKIさんの持ち味であるメロっぽさとラップがいい塩梅で融合している雰囲気もありますよね。
FUKI:確かに確かに。歌とラップの中間くらいなイメージになってますね、Bメロでは。そこは自然とそういう構成にはなったんですけど、結果的にサビへのいい流れが生まれているとは思います。
ーーサビではナチュラルな表情の歌が堪能できます。
FUKI:今回は曲の内容的にもトラック的にも強く歌うのは合わないなと思ったので、とにかく力を抜くことを心掛けました。歌詞にあるように考えすぎて眠れない朝の5時くらいに聴いてほしい曲でもあるので、そういうときにぐわーっと強い歌はあまり聴きたくないじゃないですか(笑)。なので極力、優しく歌おうと。
ーーサウンドもすごくシンプルですからね。
FUKI:そうですね。全体としてはほんとにシンプルで、ひとつひとつの音と私の歌がしっかり聴こえてくるような雰囲気にしたかったんです。アレンジをしてくださった乾(修一郎)さんはライブでもご一緒させていただいている関係なので、細かい部分まで意見を交換しながら一緒に作っていくことができて。その作業もすごく楽しかったです。
ーーすごくいい仕上がりだと思います。ちなみにタイトルにピリオドをつけた理由は?
FUKI:“KISS”というワードを聞いただけで、ものすごくいろんな妄想が膨らむじゃないですか。「相手は誰なんだろう」とか「そのときはどんな服装だったのかな」とか、細かい部分までストーリーが見えてくる感じがあるというか。そういう意味ではもう“キス”は単語ではなくセンテンスだなと思ったんですよね。なので最後にピリオドをつけました。あともうひとつの理由としては、ネット検索したときに引っかかりやすいように(笑)。「KISS」という曲は世の中にいっぱいあるから、ピリオドをつけることで差別化できるかなと。
ーーこの曲がリスナーにどう響いてくれたらうれしいですか?
FUKI:恋愛中はもちろんだけど、それ以外の日常の中でもちょっと気持ちに余裕がないとき、自分に自信がなくなってしまったとき、寂しいときなんかに、気持ちを前向きにするスイッチにしてもらえたらいいなって思いますね。かしこまって「聴くぞ」っていう感覚ではなく、その人ごとの生活に寄り添って自然と流れているような、心地いいBGMになってもらえたら最高ですね。
ーー様々なトライを盛り込んだ楽曲で、12カ月連続リリースのいい幕開けが飾れましたね。
FUKI:ですね。ラップに関してはこの曲ができたことで、もうちょっと激しいものもやってみたくなりましたから(笑)。
ーー今ちょっとラッパーっぽい手の動きがついてましたね(笑)。
FUKI:ついつい手の動きがそれっぽくなっちゃいますよね(笑)。普段はそんな性格じゃないんですけど、今回のレコーディングのときはブースの中でも手が勝手に動いてました。
ーー来月は6月12日「恋人の日」になります。どんな曲になりそうか、軽く予告していただけますか?
FUKI:つい数日前に完成した出来立てほやほやなんですけど、次は夏に向けて気持ちがグッと上がっていくような曲になっていますね。夏を迎えにいくぞ! 的な。私は夏になるといつも以上に恋をしたくなるんですよ。なので誰かに会いたくなるような、愛に向かって駆け出したくなるような内容にしてみました。今回の「KISS.」とはサウンドも含め、ガラッと変わっているので楽しみにしていてください。
ーー1年分、12曲が出揃ったらそれらを通して聴けるライブにも期待したいところですが。
FUKI:やりたいですよねー。全部をまとめたアルバムをリリースするっていうのももちろん実現させたいですけど、やっぱりライブでみんなに聴いてもらいたい気持ちは大きいです。プロジェクトの途中でやるのではなく、すべてが出揃った段階でドーンとお届けしたいですね。
ーーじゃ引き続き「月刊FUKI」、楽しみにしてます!
FUKI:「月刊FUKI」っていいですね。ハッシュタグにしようかな(笑)。
(取材=もりひでゆき/写真=竹内洋平)
■リリース情報
『KISS.』
配信限定
発売:2019年5月23日(木)
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