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『I LOVE YOU』インタビュー

FUKI、名曲カバーで発揮したシンガーとしての個性「試行錯誤した結果、いい混ざり具合になった」

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 FUKIが、4月25日にニューデジタルEP『I LOVE YOU』を配信リリースした。クリス・ハートの名曲を独自の視点で解釈、表現し尽くしたカバーとなる表題曲には、彼女のシンガーとしての成長がたっぷりと注入された。それに加え、ライブで大切に歌い継いできたという「アイ」(秦基博)、「サヨナラCOLOR」(SUPER BUTTER DOG)、「100万回の『I love you』」(Rake)も“Re-edit”“Remastered”バージョンで収録。様々な “愛”を極上の歌声で堪能できるカバー作となっている。SHEN(Def Tech)やPES(RIP SLYME)といった憧れのアーティストとのコラボを経験した昨年の活動が彼女にもたらしたもの。そして、それを生かして作り上げたという本作のことについてFUKI本人にじっくりと語ってもらった。(もりひでゆき)

自分なりの解釈でカバーした

ーー昨年のFUKIさんは、Def TechのSHENさんやRIP SLYMEのPESさんとコラボしてそれぞれコンセプトEPを作り上げました。その経験はいかがでしたか?

FUKI:とても夢のような時間でした。自分がずっと好きで聴いてきた方々と一緒に曲を作ることができたので。SHENさんとはOTODAMA(『音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2017』)でライブもご一緒させていただくことができて、とても楽しかったです。

ーー“LIFE”をひとつのテーマとしていたそれら一連の流れを経て、8月には 『LIFE DIARY』というアルバムをフィジカルでリリースされました。

FUKI:はい。タイトル通り、私がこれまでに生きてきた“LIFE”がギュッと詰まったアルバムになりました。高校生の頃に作った曲がアルバムに入ったりもしたので、過去も現在も全部ひっくるめたFUKIが表現できたかなって。制作の過程も含め、すごく充実した作品になったと思います。

ーー1年前のインタビューでは、ご自身のボーカルスタイルや、“FUKI=恋愛ソングを歌う人”というパブリックイメージを持たれていることに対して悩みがあったとおっしゃっていましたよね。

FUKI:そうでしたね、うん。

ーーその悩みは昨年の活動を通して払拭された実感はありますか?

FUKI:歌い方に関しては、SHENさんとコラボさせていただいたことをきっかけに進化できたと思います。切なさとか儚さとか、そういった繊細な感情もしっかり表現できるようになった気がします。パブリックイメージについてはどうなんだろうなぁ(笑)。まぁでも『LIFE DIARY』というアルバムの中には家族への愛とか、恋愛観だけを歌った楽曲以外も収録できたので、自分としてはFUKIのいろんな側面をしっかり見せられた作品になったと思います。

ーー様々な“愛”がFUKIさんの“LIFE”を形作っている感じですよね。

FUKI:私はずっと愛のある歌を歌っていたいという思いがあるので、そういう意味で“LOVE”というものはとても重要なんです。もちろん、私の中での“LOVE”は、恋愛に限ったものではなく。

ーーその上で、今年に入ってからのFUKIさんは“恋愛”という意味でのラブソングを精力的に打ち出してきているじゃないですか。そこで感じたのは、昨年の活動を通してご自身の“LIFE”をしっかり提示することができたからこそ、“恋愛ソング”を歌うことに対してあらためて腹をくくれたところがあったんじゃないかなっていうことで。

FUKI:確かにそういう気持ちはあると思います。『LIFE DIARY』で、私が表現したかった様々な“LOVE”の形を詰め込むことができたので、改めて原点に戻り、恋愛面での“LOVE”も今一度見直してみるのもいいんじゃないかなって。

ーー今年2月には、恋愛ソングをまとめたEP『Love Songs』と、オリジナルのラブソング「思い出になる前に-Silent Starry Night-」の配信リリースがありました。

FUKI:やっぱり私が歌うラブソングを待っていてくださる方も多いので、「これこれー!」みたいな反応がけっこう多かったです(笑)。「思い出になる前に」は、LINE MUSICさんとの企画で作った楽曲です。“LINE MUSIC Student Ambassador”と呼ばれる女子大生と一緒に、「どんなラブソングを、どんなときに聴きたいのか?」みたいなディスカッションをしたり、彼女たちのリアルな恋愛話を聞いて、楽曲制作をはじめていきました。

FUKI – 思い出になる前に -Silent Starry Night-

ーー聴き手の求めているものを直接すくいとって楽曲に落とし込んでいったわけですね。

FUKI:そういう経験ができたのは、はすごく面白かったです。話を聞いていてびっくりしたのは、今ってLINEで告白する人がけっこういるらしいんですよ。「いやいや私は面と向かって告白していただきたいですけど」みたいな(笑)。あとはLINEで告白をして、次の日に「ウソだよ」って言う“ウソ告”っ ていう遊びがあるとか。「なんの意味があるの!?」っていう。

ーーひどいですねぇ(笑)。そんな流れを経て、今回配信されたデジタルEPは4曲のカバーソングが収録された「I LOVE YOU」です。表題曲はクリス・ハートさんの名曲ですね。

FUKI:はい。ずっと大好きで聴いてきた曲だったので、純粋に“今、歌いたい曲”ということで選ばせていただきました。クリス・ハートさんの原曲は切なさと悲しさがものすごく強く表現されているような印象を受けて、それがこの曲の良さだと思いました。ただ、それを女性である私が歌うことで、別れに直面した悲しさはあるんだけど、出会えたことに感謝するようなポジティブな気持ちも表現してみたいなと思い、歌詞にはないのですが自分なりの解釈でカバーさせていただきました。

FUKI – I LOVE YOU (Music Video)

ーーFUKIさんなりの解釈と表現でオリジナルなものにしたかったわけですね。

FUKI:そうですね。ただ、そう思う一方で、レコーディングはかなり難しかったです。歌っているとどうしても切なさや、悲しさに引っ張られてしまうので、私が描いていた“ポジティブな方向性”とのバランスはスタッフと相談しながら決めていきました。 ただただ悲しく、泣きそうになりながら歌うパターンを試したり、逆に明るい声を意識的に出すパターンもやってみました。試行錯誤した結果、いい混ざり具合になったと思います。

ーー声のボリュームを抑えた繊細な表現で切なさが表現されている部分では、SHENさんとのコラボ曲「TWO the OCEAN」での経験がすごく生かされている印象がありました。

FUKI:まさにそうですね。消え入るような囁き声で歌っているところは、SHENさんとの経験がちゃんと生かされたと思います。ブースで歌ってるとその塩梅がよくわからなくなるんですけどね。囁きすぎて、自分では何歌ってるかわからなくなってくるというか(笑)。でも録ったものを後で聴いてみると、「あ、実際はこんなふうに聴こえてるんだな」っていう発見があったりもして。

ーーで、曲が進んでいくと切ない気持ちが晴れていくというか、感情の変化が歌声でしっかり表現されてもいて。

FUKI:今回カバーさせていただいた「I LOVE YOU」のサビは3回出てくるアレンジになっていますが、2サビまでは囁く歌い方にしました。このパートまでは彼女への思いとして、切なさを特に表現したくて。でも、最後のサビはいつもの私の感じで比較的パワフルに歌ってるんですよ。後ろ向きな気持ちがパーンとクリアになって、しっかり前を向いているポシティブな感じが伝わればなって。そういう流れもかなり意識しましたね。

ーーサウンド面でも前を向く感情は表現されていますよね。すごく素敵なアレンジで。

FUKI:私の中にあった漠然としたイメージをつたない言葉でプロデューサーのEIGOさんとアレンジャーさんにお伝えしたところ、一発でバッチリなものを仕上げてくださいました。キラキラ感の中にある切なさみたいな感じがうまく出ているんじゃないかなって思います。

ーーEIGOさんは歌のディレクションもしてくださるんですよね?

FUKI:いろいろアドバイスを言ってくれます。まずは私が自分なり歌ってみた後に、「もっと静かに囁け。むしろ歌うな」と言われて。「歌うなってどういうこと?」みたいな(笑)。でも、私が曲に対して思い描く “正解”までどんどん連れていってくれるので、安心して歌えます。EIGOさんからの要望は昔と比べてどんどん多くなってはいるんですけど。

ーーへぇ、そうなんですか。それはFUKIさんのスキルが上がって、表現の引き出しが増えたからかもしれないですよね。

FUKI:表現の引き出しは増えた気もします。昔はパワフルに歌ったものに対して、一発で「いいね!」みたいな感じだったんですよ。ある種、一辺倒な歌い方でもOKが出ていた。でも今は細かい表現まで指摘を受けます。一度録った後、次の日に「やっぱここ歌い直して」って言われることもありますし。「この歌い方は習得できたから、じゃ次はこれをやってみよう」と、次々とアドバイスをくれるので、私としてもとても嬉しいですね。

ーーEIGOさんからの指摘を柔軟に受け入れ、そこで課せられた新たなハードルに果敢に挑んでいくわけですね。

FUKI:そうですね。言われたら挑戦してみる。もちろん全然できないこともあるんですけど、そういうときは何度も何度も繰り返しトライします。

      

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