[ALEXANDROS]、なぜ多くの映画主題歌を担当? 『ゴジラ』×新曲「Pray」を機に考察

 [ALEXANDROS]というと、英語歌詞を絡めたクールなロックバンドのイメージだが、元々彼らは路上ライブをするなど、良い意味で“泥臭い”経験も持つ。川上自身は9歳から14歳までをシリアで過ごし、大学卒業後は会社員として働くなど、色濃い人生経験を持つ人物だ。

 映画というのは、人間の人格や生き様を浮き彫りにするものでもある。そして、その主題歌は、多くの場合、映画の根幹の世界観を支え、彩るものであることが求められる。映画の主題歌制作とは、映画の物語と自分(バンド)自身の物語を繋げる作業であり、そこには本人の経験や、思慮、読解力などが強く影響してくるだろう。すぐにデモ音源を提案したというエピソードからもわかるように、彼らは映画のテーマを素早く咀嚼し、自分自身の音楽と繋げる作業が得意なのだろう。そのような点からも[ALEXANDROS]は、非常に映画主題歌に向いているバンドであると言えると思う。映画に寄り添いながらも、[ALEXANDROS]らしさを忘れない。そんな映画主題歌を、これからも期待したい。

■深海アオミ
現役医学生・ライター。文系学部卒。一般企業勤務後、医学部医学科に入学。勉強の傍ら、医学からエンタメまで、幅広く執筆中。音楽・ドラマ・お笑いが日々の癒し。医療で身体を、エンタメで心を癒すお手伝いがしたい。Twitter

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる