『1114』インタビュー
EXILE SHOKICHIが語る、ソロ作『1114』で目指したもの 「今はトレンドを意識してない」
EXILE THE SECONDで成長できた
――その3年間に、EXILE、EXILE THE SECOND、ソロの活動がありましたが、どれが一番大きかったですか?
SHOKICHI:EXILE THE SECONDの活動がすごく大きかったですね。2枚アルバムを出して、2回ツアーをして、そのほとんどの曲を自分でプロデュースできたので。ツアーも自分のアイデアをたくさん試せたし、自分が音楽に向き合える時間をくれましたね。
―― EXILE THE SOCONDでは、ベースミュージックに接近していたことにもとても大きな衝撃を受けたんです。
SHOKICHI:そうですね、曲の作り方はEXILE THE SECONDで成長できたと思います。もちろん自分の歌についても考えました。「自分の武器はここで、自分の良さはここで、そしてここはまだ伸びしろがあるな」とか。
――そうやって客観的に見られるところはSHOKICHIさんの強みですね。
SHOKICHI:確かに自分の強みの1個は、自分を俯瞰して見られるところだなと思います。ソロの最初の頃から比べると、自己プロデュースができるようになりました。
――そうした歌を聴かせる「白夜」はバラードですが、トラップも鳴る。すごく面白い構造ですね。
SHOKICHI:J-POPとR&Bがミックスされて、J-R&Bのおいしいところ取りみたいな感じです。
――SHOKICHIさん自身にとって、本当に刺さる音楽を作っているとも感じます。
SHOKICHI:そうですね。トレンドは意識しなくても、制作は常に新しいものを作ろうとしています。先日はBALLISTIK BOYZのデビュー曲を作曲させてもらったし、そういうプロデュース業も活発にしていきたいですね。
――「君に会うために僕は生まれてきたんだ」はピアノバラードですが、ラウドなドラムも鳴っていて、ビートの作りがヒップホップだと思いました。
SHOKICHI:ははは、たしかに。ちょっとふざけてるかもしれない(笑)。みんなで楽しみながら、「ここでこの音色を入れたら面白くない?」みたいな感じで、自分たちの遊びの一環のようにしてできた曲でもありますね。
――『1114』を聴いていてすごいなと思ったのは、キャッチーな部分と尖っている部分のバランスがちゃんと取れていることなんですよね。
SHOKICHI:どんなジャンルになっても、どんなドープな仕上がりになっても、キャッチーなフレーズを入れたりして、聴きやすいポイントやメリハリをどこかで作ることにはこだわっていますね。
――「Ooo!」も、こんなにタイトなビートが鳴っているトラックをあまりJ-POPで聴いたことがないんです。
SHOKICHI:これは自分のなかでもどういうジャンルの音楽かわからないぐらいの曲ができたなと思っているんです。ブルーノ・マーズと一緒にグラミー賞を獲った、The Stereotypesというプロデューサーチームと一緒に作った曲で、去年EXILEのアルバム『STAR OF WISH』の「STEP UP」という曲を作るときに来日してくれて、一緒にライティングセッションをして。そのときに1時間ぐらい時間が余って、「もう1曲やろうよ」みたいな感じになって。そこに彼らのストックのトラックがあって、自分がメロディをパパッと作って、15分ぐらいでできた曲なんです。アドリブな楽曲だったんですけど、いい完成度で。自分のアドリブ力やキャリアを感じた瞬間でもありましたね。
――自分が培ったものが発揮されている感触というものは、この数年ではありましたか?
SHOKICHI:しばらくはなかったんですけど、『1114』が完成したときにありましたね。
――逆に、この数年なかったというのがすごく意外です。
SHOKICHI:感じる間もなく走り続けてきましたからね。その代わり、ソロプロジェクトでは、これまで培ってきたことを存分に活かして「自分しか歌えないだろうな」という要素もガンガン詰めてますね。ジャンルの幅も広がったし、自分の可能性は無限なんだなと改めて思っています。