Hey! Say! JUMPはなぜ互いを信頼し合えるグループに? 知念侑李主演ドラマの主題歌から考える

 もともと変顔が得意な知念。表情筋がやわらかく、セリフ以上にその眼差しで視聴者の心を掴むのがうまい。困惑する知念の表情が毎回いじらしい一方で、攻略方法を見つけた後のイキイキとした表情は、知念が本来持っている「小悪魔」な一面が溢れていて、実に清々しいのだ。そうしてピンチをくぐり抜け、スカッとした瞬間に聞こえてくる「Lucky-Unlucky」が心地いい。Hey! Say! JUMPの歌声は、デビュー当時からピュアな印象が強い。もちろん、デビュー当時に比べれば声変わりをしているが、それでも一人ひとりの歌声に透明感があるのが特徴だ。

 Hey! Say! JUMPはジャニーズのアイドルグループの中でも稀に見る大人数で結成された。「全員が平成生まれ」というキャッチフレーズではあるものの、メンバーの中には年齢差もあり、キャリアもバラバラだった。それゆえに苦労した部分も多くあったが、彼らのまっすぐで健気な姿勢が、互いに信頼し合う仲のいいグループへと成長させた。彼らこそ、“人の和”を大切にしながら、自分自身を磨いていくという生きるお手本。だからこそ、理想の自分を目指す人の背中を押すメッセージソングとなっている「Lucky-Unlucky」が、心に染み渡るのだろう。

 MVでは、Hey! Say! JUMPらしい揃った群舞に加えて、メンバー自ら考案したソロダンスも披露されている。新元号「令和」の英訳が「Beautiful Harmony」と言われているが、彼らのダンスは一人ひとりの「秩序」と、グループの「調和」が取れたもの。「平成」から「令和」へ。時代が移り変わっても、降り注ぐ困難は消えないかもしれない。それでも人と協調しながら、個性を磨いていくというHey! Say! JUMPのスタンスで歩んでいけば、いつかきっと理想の未来を目指していくことができるはず。今夜のライブは、そんな新時代を生きる私たちの背中を押してくれるものになるだろう。

(文=佐藤結衣)

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