Hey! Say! JUMPの群舞は覚悟の証 「BANGER NIGHT」8人のダンスに見えた“進化”とは?
Hey! Say! JUMPが、今夜の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に生出演。最新アルバム『SENSE or LOVE』より、リード曲の「BANGER NIGHT」を披露する。「BANGER NIGHT」は、BTS(防弾少年団)の振付師として有名なソン・ソンドゥクが振り付けを担当し、「過去最高難易度」との呼び声も高い激しいダンスが見どころだ。
Hey! Say! JUMPといえば、ジャニーズグループ内でも最大級の人数を生かした群舞が強みと言われてきた。だが、それは最初からあったものではない。彼らが絆を確かめ合うたびに、ダンスのキレが増し、そして揃っていった。Hey! Say! JUMPの群舞は、彼らの覚悟の証。全員で意識的に手に入れた武器だ。
デビュー当時は、バラバラのキャリアを持つメンバーの集まりだったHey! Say! JUMP。当然、ローキャリアのメンバーはついていくのに必死で、もともとダンスが得意なメンバーとの差が出てしまう。それも仕方のないこと、成長過程を見守っていくことも彼らを応援する醍醐味だ、そう思っていた。だが、9人での再出発を決めた2011年前後を境に、明らかにダンスパフォーマンスが変わったのを覚えている。
特に、9人体制となってから初のシングル『Magic Power』のカップリング曲「Beat Line」を披露したときの、ファンのどよめきは忘れられない。黒地に白いラインが入ったスーツに身を包み、ガツガツと行進してくる姿は、明らかに“進化“を遂げた姿だとわかった。手を伸ばし、膝を曲げてしずむ振り付けも、横一列で一切のごまかしなし。そのステージはバラバラの9人ではなく、Hey! Say! JUMPというひとつの人格が踊っているような一体感だった。
9人の動きを揃える難しさは、キャリアだけではない。Hey! Say! JUMPは、愛らしい印象の小柄なメンバーと、モデルを務めるほどの長身メンバーが混在している。長身のメンバーが手足を伸ばしきったラインに合わせて、小柄なメンバーは大きく踊らなければならない。一方、すばやい動きを得意とする小柄なメンバーに合わせて、長身メンバーは大きく伸ばした手足を即座に戻して次の動作に移るフィジカルの強さが求められる。大きく見せる表現力と、速い動きを実現する筋力。どちらかに寄せるのではなく、最大値に合わせるストイックさ。9人のダンスには、一人の妥協も許されない緊張感が走った。
そして今年、岡本圭人が留学したことによって、Hey! Say! JUMPは8人体制となった。9人で培ってきた“揃える技術“を、一度0にしなければならない怖さもあったはず。その不安を吹き飛ばした曲が「BANGER NIGHT」だ。「合宿みたいなノリだった。2日間ずっと踊って踊って踊って……」と伊野尾慧が、ラジオ『らじらー!サタデー』(NHKラジオ第1)で、およそ15時間にも及んだダンスレッスンを振り返る。