上白石萌音が持つ、“歌い手”としての真の強さ 『Mステ』披露の「ハッピーエンド」から考察

上白石萌音、“歌い手”としての強さ

 デビューから、映画、ドラマだけでなく、舞台、ミュージカルにも多数出演し、その透明感と情感溢れる歌への評価が高かった上白石萌音。デビューカバーミニアルバムでは、「On My Own」(『レ・ミゼラブル』より)や「なんでもないや」(『君の名は。』より)など洋邦の映画にまつわる楽曲をカバーして女優を超えた“歌い手”の才能を開花させた。数々のシンガーが歌い継いできたスタンダード的な名曲「SMILE」や、アカペラでスタジオライブ録音した「On My Own」はじめ、歌の力をクローズアップしたカバーで、当時まだ10代だった彼女の歌は、多くの人の心をとらえた。決してシアトリカルなものでないし、むしろ奥ゆかしく控えめにさえ聞こえるくらいだ。ただとても美しく明確な発語で、歌が宿す物語や、その言葉に至る背景を丁寧に紐解いて伝える力がある。それは上白石萌音という“歌い手”が持つ真の強さ、人間としての力に由来しているのだろう。

 キャリアを重ねながら、より広い役柄を演じて増やした引き出しを歌に生かし、そして心を豊かに表現する歌がまた新たな役柄の奥行きも生んでいる。デビューから8年の年月を経て、よりそういう表現のサイクルを感じる。“私もまだ体験したことないくらいのドキドキとキュンキュンが詰まった”「ハッピーエンド」で得た感覚がまた、今回の主演映画『L♡DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』やこれからの作品にもきっと活かされていくのだと思う。

 4月26日の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)へ出演し、この「ハッピーエンド」を歌唱する上白石萌音。彼女が歌う、甘い恋の物語をオンエアでも楽しみたい。

(文=吉羽さおり)

「ハッピーエンド」

■リリース情報
配信シングル「ハッピーエンド」
作詞・作曲・編曲:内澤崇仁
配信中

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