back numberはなぜ“名曲”を生み出し続ける? 「HAPPY BIRTHDAY」「大不正解」より考察
先ほど小林武史や蔦谷好位置にもふれたが、back numberの魅力を語る上で、アレンジャーとの親和性は重要な要素のひとつだ。以前、彼らはインタビューでこのように述べていた。
「『ラブストーリー』(2014年3月発売の4thアルバム)を作ったときに「このバンドはこんな感じだな」ってわかっちゃった気がしたんですよ。『このままじゃダメだな』と思ったというか……だから小林武史さんにプロデュースをお願いできたのかなと思います。「バンドサウンドとかにこだわっている場合じゃない。とにかく『いい曲だ』って言ってもらえる曲を作ろう」という感じになってましたから」(参照)
常に“いい曲”を生み出すための最良の手段を選択する。その柔軟な考え方は、彼らがJ-POPと真っ向から向き合っているからこそ。実際に、小林武史などのアレンジャー陣によって潜在していた魅力が掘り起こされたように思うし、近年の楽曲からはアレンジャーたちの良いところを吸収していることがうかがえる。きっと彼らは、プロデューサーの選定も的確なのだと思う。大きな変化を感じさせず、しかし確実に進化を遂げているback number。彼らが万人に聴かれ続けている理由はそこにあるのではないだろうか。
(文=北村奈都樹)