ヤバイTシャツ屋さん、“その日限りの空気感”生み出すライブバンドとしての手腕

ヤバT「Tank-top Festival 2019」レポ

 バンドはアンコールに応えると、「追加で予定にない曲やる?」とこやまが提案し、音源化されていない初期曲「I wanna go home」を演奏するサービス精神旺盛っぷり。これがヒネリなしのド直球ソングなのだが、ヤバTらしいキャッチーな魅力に富んでおり、アウトロの語り風パートも実に新鮮だった。それから住宅情報サイト「SUUMO(スーモ)」の新CMにヤバTが出演したことでも話題を呼んだ「スーモマーチ」も飛び出し、これも大盛り上がり。その後は「ウェイウェイ大学生」、「ハッピーウェディング前ソング」とキラーチューンを放ち、止めは「あつまれ!パーティーピーポー」で掉尾を飾った。

 終わってみれば、あっという間の約2時間。個人的には「君はクプアス」、「かかとローラー」などまだまだ聴きたい曲はたくさんあったけれど、今日のライブのように予定外の楽曲をやったりと、豊富なレパートリーの中から楽曲を取捨選択し、「その日限りのライブの空気感」を作る手腕がグッと増している印象を受けた。ますますバンドのスキルに磨きをかけ、たゆまぬ成長を遂げていくヤバT。今回のツアーはどこの会場も見逃せないものになりそうだ。

(取材・文=荒金良介/写真=オイケカオリ)

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