欅坂46 平手友梨奈、なぜ他アーティストからも愛される? 憑依型ダンスの表現力に迫る

「彼女とのコラボレーションがすごく衝撃的で。身を削って表現する少女の揺れる気持ちみたいなものを側で見ていて、この世界を歌にしたいなと」。

欅坂46『黒い羊』(TYPE-A)

 欅坂46(以下、欅坂)の絶対的エースであり、不動のセンターである平手友梨奈。昨年、欅坂を卒業した今泉佑唯は、そんな平手のパフォーマンスについて、かつてインタビューで以下のように語っていた。「改めて映像を通して見たりレッスンのときに鏡越しに見たりすると、自分でもどこが違うと明確にわかるわけじゃないけど、真似できないのかな、境界線があるのかなと思いますね」(引用:今泉佑唯 × 鈴本美愉 - 私たちが一番を目指せば欅坂46はもっと強くなる。大いなる反抗)。同じグループのメンバーさえも、一目置いている平手の唯一無二の表現力は今、欅坂というグループを超えて、他アーティストまでをも惹きつけ、虜にしている。

平井堅×平手友梨奈

 『2017 FNS歌謡祭』(フジテレビ系/以下、『FNS歌謡祭』)にて、平井堅とコラボし、「ノンフィクション」でソロダンスを披露した平手。彼女の圧巻のパフォーマンスが、お茶の間に衝撃を与えたことは記憶に新しい。だが、平手の姿に感銘を受けたのは、視聴者だけではなかったようだ。冒頭の言葉は、平井が昨年6月23日に放送された『MUSIC FAIR』(フジテレビ系)内で、楽曲「知らないんでしょ?」(2018年5月リリース)の誕生秘話を語った際に、発したもの。「知らないんでしょ?」は、『FNS歌謡祭』で平手の踊る姿を見て構想を得たという。平井は「スクールカーストとか……、彼女が鞄を持って紙吹雪を顔に浴びた時に、教室の中で一人、いろんな人と自分はどんな顔でどうやって対面、対峙すればいいんだろうと、悩んでいる女の子の歌を書きたいな」と思ったという。それがきっかけで、徐々に出来ていった楽曲だと説明していた。

 平井堅に1曲作らせるほど、観るものに強烈な感情を与える平手のダンス。『FNS歌謡祭』で平手の振付を初めて担当した新進気鋭のダンサーRui(CRE8BOY)は、『めざましテレビ 』(フジテレビ系)のインタビューで「気持ちを込めて踊ることに関して、今までに会ったことがないぐらい、ずば抜けてすごい」「まさに全身全霊、彼女にしかできないパフォーマンス。(ダンサーとして)完成しちゃってます」と平手を絶賛していた。平手のダンスはよく“憑依型”と形容されているが、演じているのではなく、彼女の内側から本当の感情を爆発させているような脆さと危うさを感じさせる。完全にその楽曲の“主人公=平手友梨奈”とリンクしているのだ。観るものにも憑依しているのかもしれないと思うほど魅惑的で、まさに“ノンフィクション”のダンスと言える。

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