欅坂46のダンス職人 鈴本美愉、なぜ「黒い羊」で三列目に? センター務めた『Mステ』の真相
鈴本は現在発売中の『EX大衆3月号』で、この『Mステ』の裏側について語っている。センターになった経緯は、鈴本を含めた「アンビバレント」のフロントメンバー4人がひとりずつセンターに立つという話があり、最初に順番が周ってきたのが鈴本だった。本番まで時間がなく、考える暇もなかったという。意外だったのは、振り入れが苦手だということ。振り付けが頭に入らなく、当日は踊れなかったと本人は口にしている。それはおそらく、振付のTAKAHIROが考えた、平手とは違う新しい振りを、鈴本が納得いくほど完璧にはマスターできなかったということなのだろう。また世間で話題となった始まる前の髪をかき上げる仕草は、鈴本自身は「なくてもいいかな」と思っていたため、それがピックアップされるのはあまり嬉しくはないとも明かしている。そして、これだけ評判が良かったにも関わらず本人は「リハの方が良かった」と自己評価が厳しいのも、いかにも鈴本らしい。いつも冷静沈着な彼女がセンターになったことについて「緊張を通り越して、よく分からない気持ちになりましたから」と言うのだから、相当なプレッシャーだったと思われる。
メンバーからの支持も厚い鈴本は、昨年に放送された『けやかけ』の「憧れのダンスセンスランキング」では、圧倒的な票を集め1位を獲得。それだけに新シングル『黒い羊』のポジションも期待される中、先日フォーメーションが発表された。結果は、まさかの三列目の左端。ただ、鈴本の対象の右端に齋藤が位置し、ダンスのツートップである2人がシンメトリーの形となっているため、グループとして見た時の見栄えの良さを重視したのか、何か演出の意図があるのではと、ネット上では今でも論争が繰り広げられている。
「黒い羊」に関して鈴本は、「最初は重い曲だな」と思ったが、MVの撮影でその設定が心にくるものがあり、気持ちが変わったという。「泣き崩れながら踊る事なんて初めての経験。これまでみんながどういう気持ちでパフォーマンスをしているか分からなくて。あの撮影でそういった不安がなくなった」(引用:『EX大衆3月号』)と振り返っていた鈴本。メンバー間で楽曲に対する考えを共有して深められただけに、『Mステ』ではさらに一体感を増したパフォーマンスを見せてくれるのではと期待が膨らむ。
「センターになりたい気持ちは?」という質問に鈴本は、「グループの助けになるならやらせてもらう、という考え方ですね」と答えていた。まるで侍のような思考の鈴本なだけに、どんな位置でも自分の仕事を粛々とこなすダンス職人ぶりを発揮してくれるはずだ。果たして、「黒い羊」初パフォーマンスではいったい何を見せてくれるのだろうか。そして、三列目の意味とは? その答えがもうすぐ明らかとなる。
(文=本 手)