CHAI、『PUNK』で勢いはさらにブースト サウンドに息づくポストパンクの精神とポップな捻り
個人的な嗜好としては、先行シングルでリード曲の「CHOOSE GO!」のスマートさがお気に入りだ。この曲では疾走感のあるエイトビートがブレイクでハーフになり、フェイザーのかかったギターが空間を包むサイケデリックなサウンドに変化。そのまま2分43秒の演奏時間を走り抜ける。CHAIは前作でも大胆なダブ処理やエフェクトを躊躇なく取り入れてきた。本作でもそうした方向性は変わっていないようだ。そのあたりにも、ダブの影響を強く受けたポストパンクの精神が、ゼロ年代経由で伝わっているのを実感する。
繰り返し述べたように、CHAIにはポストパンクの精神がある種隔世遺伝のように息づいている。アティチュードやメッセージの点でも、サウンドの点でも。ただしそこには、よりダンサブルでポップな捻りと、ポップアイコンとしての役割をなんなく受け入れる現代的な柔軟さも加わっている。がっくりと肩を落とし、膝から崩れ落ちそうになるニュースが多い昨今、CHAI流の『PUNK』は未来を考える勇気を与えてくれる。
■imdkm
ブロガー。1989年生まれ。山形の片隅で音楽について調べたり考えたりするのを趣味とする。
ブログ「ただの風邪。」
『PUNK』
発売:2019年2月13日(水)
価格:¥2,400(税抜)
<収録曲情報>
1.CHOOSE GO!(GU “GU CHANGE” タイアップ曲)
2.GREAT JOB(CHAI × パナソニック 家事シェア キャンペーンソング)
3.アイム・ミー(リクルート“Follow Your Heart & Music” 参加曲)
4.ウィンタイム(TV ドラマ「ガールはフレンド」主題歌)
5.THIS IS CHAI
6.ファッショニスタ(代表作にBjork / MIA /The xx, Frank Ocean等を手掛けるエンジニアMarta Salogni(UK)MIX)
7.FAMILY MEMBER
8.カーリー・アドベンチャー(代表作にDIIV / Arto Lindsay / Nick Hakim / War on Drugs / Ghostface Killah 等を手掛けるエンジニアDaniel Schlett(US)MIX)
9.Feel the BEAT(映画「麻雀放浪記2020」主題歌)
10.フューチャー
■ライブ情報
『CHAI JAPAN TOUR 2019「PINKなPUNKがプンプンプン トゥアー!」』
6月8日(土)名古屋 DIAMOND HALL
6月9日(日)大阪 なんばHatch
6月13日(木)札幌 PENNY LANE 24
6月15日(土)新潟 GOLDEN PIGS RED STAGE
6月16日(日)仙台 Rensa
6月21日(金)岡山 YEBISU YA PRO
6月23日(日)福岡 DRUM LOGOS
6月29日(土)新木場 STUDIO COAST