いきものがかり、ソフトバンクCM曲「WE DO」で挑戦した“1番だけの曲” J-POP的構成を再考する

 他方、現在の音楽の聴取環境は、より断片化した消費の形態を生み出している。テレビやラジオでのエアプレイやCMソングとしての利用のみならず、InstagramやTikTokといった動画共有SNSの普及によって、キャッチーなフックやドロップだけで成立するようなミーム的な消費は加速している。いきものがかりも先ごろの『紅白歌合戦』では「じょいふる」のサビを使ったTikTokとのコラボ企画に参加しており、その流れの真っ只中にいる。

 水野も続くツイートで自認しているように、新しく開拓することがいきものがかりに求められる役目では必ずしもないだろうとは重々承知のうえで、“1番だけの曲”という試みにのりだしたのならば、4分間というポップソングの“当たり前”も定義しなおすような曲を聴いてみたい、と少し思うのだ。

 では例えば2分間でどんなポップソングが可能だろうか、という向きには、参考までに次の曲を紹介しておこう。

ものんくる / ここにしかないって言って 【MV】

■imdkm
ブロガー。1989年生まれ。山形の片隅で音楽について調べたり考えたりするのを趣味とする。
ブログ「ただの風邪。」

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