LUNA SEAの歴史は現在、そして未来へ続いているーーレア曲披露した『LUNATIC X’MAS』レポ

LUNA SEAの歴史は現在、そして未来へ続いているーーレア曲披露した『LUNATIC X’MAS』レポ

 来年結成30周年を迎えるLUNA SEAが12月22日、23日に埼玉県・さいたまスーパーアリーナで『LUNATIC X’MAS 2018 – Introduction to the 30th Anniversary-』と題してクリスマスライブを行った。22日公演にはメジャーデビューアルバム『IMAGE』を携えて行った全国ツアー『IMAGE or REAL』、23日公演にはメジャー2枚目となるアルバム『EDEN』を携えた全国ツアー『SERCH FOR MY EDEN』がそのままサブタイトルとしてつけられており、当時のツアーの再構築に期待が集まっていた。本稿ではその両日の模様をレポートする。

 まずは初日である22日。開演時間を少し過ぎたあたりから待ちきれないSLAVE(LUNA SEAファンの総称)が手拍子を始め開演を煽ると、会場が暗転し、映し出された『IMAGE or REAL』のモチーフになる少女の瞳が開くと流れたのはケイト・ブッシュの「Babooshka」。初期のLUNA SEAがライブの登場SEに使っていた懐かしのナンバーである。登場したメンバーの中でもRYUICHI(Vo)は当時を彷彿とさせる濃いアイメイクに白のエクステンションをつけた気合いの入りようで会場からは歓声があがった。SUGIZO(Gt/Vn)のギターがけたたましく音をあげたのを合図にライブは「Déjàvu」でスタートし、SUGIZOとJ(Ba)は勢いよく花道に飛び出していく。また、「MECHANICAL DANCE」を待ち侘びていたSLAVEは多く、Jが殴るように荒々しくイントロのベースを弾くとひと際大きな歓声があがる。さらに、SUGIZOは当時よりさらに凶暴に仕上がったギターソロを魅せた。

SUGIZO

 MCではRYUICHIが「俺たちも約20年以上トリップして、昔のライブも見て、これ再現するの無理かも! とか思いながら(笑)」と話していたが、「IMITATION」ではSUGIZOとINORAN(Gt)が緻密なツインギターを披露、ランニングベースが心地いい「IN MIND」にいたっては25年ぶりの披露に歓喜の声があがり、会場を26年前にトリップさせていく。しかしながら、彼らはただ過去の再現で終わるバンドではない。重要なポイントは、進化した“2018年のLUNA SEA”の音で再構築していることだ。それは、「LUNA SEAも来年30周年だから、俺たちが通ってきた道、残してきた足跡、作品や色々なものを進化させながら30周年を迎えたい」というRYUICHIのMCでも明らかだった。「SANDY TIME」や「VAMPIRE’S TALK」において当時荒々しかったRYUICHIの声は、穏やかでいて内に狂気を秘めたような力強さをもって歌われていた。一方、真矢(Dr)の小気味いいドラムとブラッシュアップされたギター隊の音色で白い世界を構築した「WALL」のINORANの魂が浄化するようなアルペジオとSUGIZOの流麗なバイオリンのアウトロのアレンジは、まさしく25年前と変わらないものだった。

真矢

 そんな中、「今夜は20数年前に戻ったということで、僕もまだ22歳ということでよろしいでしょうか?」と笑いを取ることも忘れなかった真矢のパワフルなドラムソロと、シンプルなコールアンドレスポンスで会場をアジテートしていった永遠の悪ガキ・Jによるベースソロを挟み、ライブは終盤戦へと差し掛かる。『IMAGE』きってのハードコアナンバー「SYMPTON」になると、Jは腰を落としベースを低く構え臨戦態勢をとり、INORANはヘッドバンギングし、RYUICHIは別人のようにギラついた眼つきでシャウトする。さらに「PRECIOUS…」や「TIME IS DEAD」では、アイコンタクトを取り、楽しそうに笑い合いながらライブをする5人の姿を見ることもできた。本編ラストを飾ったのはアルバムと同じく「WISH」。無数の銀テープが舞い、多幸感あふれるなか大団円を迎えた。

RYUICHI

 アンコールはSUGIZOのディレイサウンドが神秘的な「MOON」から。続いて演奏されたのは最新作『LUV』に収録されている“今のLUNA SEA”が詰まった「Hold You Down」だ。このセットリストに並べると異質に思えるが、〈キミは いつしか かけがえないもの〉〈つかまえていよう ずっとずっと キミを〉という歌を聴くと、当時から今まで彼らを支えてくれたファンへのメッセージなのだと感じずにはいられなかった。

 メンバー紹介の際に“ファンに愛の言葉を”と促されたINORANは「(92年の)『IMAGE or REAL』の時代は僕喋ってなかったんで」と言い、笑いを誘う。その後RYUICHIが「やっていくうちに当時を思い出して燃えました」「でも、まだみんな燃え足りないと思うんで」とオーディエンスをたきつけると、真矢のカウントからキラーチューン「ROSIER」を披露した。さらに畳み掛かるように「TONIGHT」が始まると、INORANは当時からは考えられないほど感情を爆発させる。そこには“静のINORAN”の面影はなかった。

 本公演では、もう聴けることはないと思った楽曲たちを聴ける喜びや想像もしなかった未来が訪れたことへの素晴らしさを実感できた。と同時に、明日はどんな想像もできないライブが見れるのだろうと考えながら帰路についた。

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