米津玄師、星野源からTWICE、DA PUMPまで 2018年注目された“踊るMV”の傾向を探る
さて、1年さかのぼって2017年の同ランキングを見てみると、米津玄師、WANIMA、TWICE、欅坂46と、TOP10の顔ぶれがほとんど変わらないことがわかる。星野源の「恋」が2016年末を席巻したことを思い出すと、この並びに割って入ってきたDA PUMPの「U.S.A.」がどれだけのモンスターヒットだったのかがわかりやすい。同曲MVについては過去記事でも書いたが、不自然なほど大きなテロップが画面に躍る中、近年注目のSHOOTと懐かしいMCハマー風の振りを組み合わせた新旧ミックス感のあるダンスを、実力派ダンサー勢が全力で踊るという“ダサかっこよさ”が何度見ても強烈だ。同曲がハロプロファンを中心としたSNSでの盛り上げやリリースイベントでのファンカム動画をきっかけに、デビュー当時のDA PUMPを知らない世代をも巻き込んでいった展開も記憶に新しい。
現在は同曲や荻野目洋子の「ダンシングヒーロー」人気をきっかけとしたユーロビート再評価からさらに派生し、ユーロビートとの組み合わせで1990年代を席巻したパラパラにまで復活の兆しがあるという。良い意味での番狂わせを体感した2018年を経て、2019年の踊るMV文化がどう変化していくのか、非常に興味深い。
■古知屋ジュン
沖縄県出身。歌って踊るアーティストをリスペクトするライター/編集者。『ヘドバン』編集を経て、『月刊ローチケHMV』『エキサイトBit』などで音楽/舞台/アートなど幅広い分野について執筆中。