Chara、新アルバム『Baby Bump』収録曲をmabanuaらがスピン!「HOLY BUMPY」レポ

 Charaのユニバーサルミュージック移籍第一弾となる新アルバム『Baby Bump』の発売を記念した、ファッション誌『ELLE』とのコラボレーションパーティー『ELLE × Chara「HOLY BUMPY」supported by MOET&CHANDON』が、12月18日に渋谷「CONTACT TOKYO」にて開催された。

 妊婦のお腹の膨らみを愛情を込めて呼ぶ際のスラングがタイトルに冠せられた『Baby Bump』は、“愛を身ごもる”をテーマにしたアルバム。Charaのルーツとなるソウルミュージックやダンスミュージックに回帰しながらも、気鋭のトラックメイカーたちを起用し、現代的なサウンドアプローチとなっているのが特徴だ。イベント中のCharaの言葉を借りるなら、「音楽と結婚した」Charaにとっての愛の結実だという。

 実際、『Baby Bump』の仕上がりは、Charaのキャリアの集大成と言えるものであると同時に、新たな代表作と言っても過言ではないクオリティだ。その音楽性は、大沢伸一のプロデュースによるメロウネスなソウルバラード「Junior Sweet」(1997年)や、Kyoto Jazz Massiveのカバーアルバム『RE KJM』にてCOSMIC VILLAGEとフィーチャリングした「MIND EXPANSIONS」(2004年)、最近でいえば国内外で注目される新鋭の音楽プロデューサー・starRoのアルバム『Monday』の日本盤に収録された「カクレンボ」などの系譜に連なるもので、クラブDJからも高く評価されてきたCharaの楽曲のダンサブルな側面が存分に表現されている。mabanua、SWING-O、Seihoといったプロデューサーによるバラエティ豊かなダンストラックの上で、キャリアを重ねてよりスモーキーさを増したCharaのウィスパーボイスが舞う本作は、フロアで踊りながら聴くのがもっとも心地よいはずだ。

 今回のイベントは、『ELLE』の30周年を記念するものであると同時に、シャンパンの名ブランドである「MOET&CHANDON」がサポートしているとあって、訪れた観客たちは華やかなファッションに身を包んでいる。しかも、会場は東京のクラブシーンの中でも特に洗練された音楽性で知られる「CONTACT TOKYO」。ここでシャンパンを片手にCharaの新作を楽しむ贅沢な時間は、まさに“大人のためのちょっと早いクリスマスパーティー”といえよう。

 「CONTACT TOKYO」に到着し、さっそくラウンジフロアへと赴くと、そこでは今注目のソウルミュージックバンド・WONKのリーダー兼ドラマーの荒田洸がDJをしていた。90'sのイースト・コースト・ヒップホップを軸とした選曲の中に、Charaの新曲を織り交ぜていくスタイルで、楽曲のクールな側面を強調しているのが新鮮だ。この日は他にもmabanuaやKan Sano、柳樂光隆らがDJプレイを披露し、それぞれのスタイルでCharaの楽曲に対する独自の解釈を提示していた。ソウル、ファンク、R&B、ハウス……ジャンルを横断する多様な聴かせ方ができるのも、『Baby Bump』の大きな魅力である。

 メインフロアにて、チェック柄の大きなリボンのようなドレスに身を包んだCharaが乾杯の音頭を取り、「今日は(距離が)みんなとも近いので、一緒に踊ろう!」と言うと、そのままフロアの真ん中を通ってDJブースの前の小さなステージへ。mabanuaがプレイする新曲「愛のヘブン」に合わせて、1コーラスを歌ってみせた。その後、ステージを降りたCharaは、Chara風のヘアメイクでセットアップした2人のドラァグクイーンと共に会場内を練り歩き、訪れた観客たちと一緒に写真を撮ったり、踊ったりと、約3時間に渡ってクラブならではのふれあいを楽しんだ。

 この日のイベントは、Chara自身が「本物の遊びを知っている大人たちによるDJパーティー」とのコンセプトでプロデュースしたという。『Baby Bump』は、まさに大人のためのダンスクラシックとして、これからも多くの夜を彩る作品となるに違いない。

(文=松田広宣)

■リリース情報
『Baby Bump』
発売中
初回限定盤(2CD):¥4,320 (税込)
通常盤(1CD):¥3,240 (税込)

 

関連記事