関ジャニ∞が稀有なグループである理由 「All you need is laugh」制作背景に迫った映像を見て

 長年共にしてきた彼らだからこそ成り立つ、遠慮のない問答。みなまで言わずとも伝わる、コミュニケーションのスピードの速さ。思わず吹き出してしまうトークの連続だが、気づけば朝方まで話し合いが続いていた。誰ひとり妥協を知らない“関ジャニ∞”のものづくりに対するプライドを、ぜひ映像で確かめてほしい。

 錦戸と安田はドームツアーのリハーサルと並行して、作曲を進める。札幌ドームの控室でのセッションは、息を飲んで見守ってしまう真剣な眼差しだ。パソコンで打ち込む錦戸と、アコースティックギターを弾く安田。個性もやり方も違うことを楽しむ姿勢こそ、関ジャニ∞の武器だ。6人で掘り返した無数のアイデアの原石を積み上げては、壊し、笑い、そしてまた別の形に積み上げる。その繰り返しを経て、デモが完成するころには、ひとつの原石だった〈All you need is laugh…〉というフレーズが、ピカピカに磨き上げられていた。

 私たちの手元には、いつも完成した状態で歌が届く。だが、その背景には、こうした血肉の通ったプロセスがある。葛藤や迷い、そして潔い判断があるのだと、改めて気づかせてくれる映像だ。背景や想いを知るほど、出来上がったものに対する愛しさが増す。それは楽曲のみならず、アイドルグループという表現物にも通じるのではないだろうか。

 今夜の『ミュージックステーション』のライブのように、音楽番組に出る彼らはいわば完成された状態。だが、そこに至るまで人間くさい経緯がある。関ジャニ∞はテレビやラジオ、そして特典映像など様々なコンテンツで赤裸々に語ってくれる稀有なグループだ。その様子を見守ることで、私たちも一員になったようなワクワクを味わう時間もくれる。その“笑顔こそすべて”だと、きっと関ジャニ∞はニヤリと微笑むに違いない。

(文=佐藤結衣)

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