『うたばん』コンビ復活&『HEY!HEY!NEO!』放送……90年代音楽番組が愛され続ける理由とは?

 では、アーティストや作品への興味や関心を深める特集要素の強い番組が増えている反面、『HEY!HEY!NEO!』のようなトークにも力を入れた番組が今再び求められているのはなぜなのだろうか。

「最近では、若手アーティストをメインに扱う音楽番組も目にするようになりました。それは、SNSやYouTubeなどから口コミが広まって人気となるケースが増えたからでしょう。『HEY!HEY!NEO!』でも岡崎体育や人気YouTuber・Fischer'sなど動画投稿で話題になった人たちをゲストに招いていました。とは言っても、テレビを見ている人のなかには、まだそのアーティストをよく知らないという人も少なくない。そういった人たちにも彼らのキャラクターを知ってもらうため、90年代同様にトークが上手い人をMCとして起用しているのだと思います。それは、渡辺直美さんと徳井義実さん(チュートリアル)がMCの『シブヤノオト』(NHK総合)や、バカリズムさんをMCにした『バズリズム02』(日本テレビ系)にも共通しているといえます」

 トークを通じてアーティストのキャラクターを発掘していた90年代の音楽番組。その後、楽曲に焦点を当てた番組が定着していったが、近年ではSNSやYouTubeの影響力が大きくなったことで、トークメインの音楽番組の真価が改めて問われているようだ。アーティストのキャラクターも引き出しながら、音楽的な深い魅力にも迫っていく。そんな両軸で見せていく番組があればぜひ見てみたい。

(取材・文=北村奈都樹)

関連記事