『LION』インタビュー
noovyが1stアルバムで表現した“日本に来てからの1年半” 「ちょっとずつ野心が出てきた」
「日本のファンがいるからこそ、今の僕らがいる」 (Mark)
――「All This Beauty」もストリングスが印象的な新機軸と言える曲になっています。
Shawn:「All This Beauty」と「HOME」はこれまでのnoovyにはない大人っぽい楽曲で、僕らの年齢でそれをどうやって表現しようかとかなり考えました。
Mark:この曲は最初に聴いたとき、アメリカの昔の音楽に通じる部分もあると思いました。Bon Joviのような、どこかで聴いたことのある懐かしい雰囲気があるというか。
――僕もバート・バカラックやフィル・スペクターのウォール・オブ・サウンドなど、色々な音楽を思い出しました。色々な音楽性が混ざっている曲かもしれませんね。
JK:僕はディズニーの音楽を思い出すんですよ。お姫様がお城の中で自分の気持ちを歌っているような、壮大なバラード曲に通じるような雰囲気を感じました。
Shawn:メロディだけ聴いていると、JKが言ってくれたような「恋愛のバラード曲」に思えますけど、僕たちがやるからには、男の子が昔を振り返りながら、世界の色々なものを見て「そのすべてが美しいな」と感じている雰囲気を出したいと思っていました。そういう意味では、台湾から日本にやってきた、まさに僕たちのストーリーのような曲ですね。
――この曲もそうですが、今回の『LION』には、みなさんのこれまでを振り返るような曲がたくさん入っていると思います。この辺りはどうですか?
Mark:最初に結成された当時のデモも入っていますし、その曲を聴けば昔のことを思い出します。これまでの色々な思い出が詰まったアルバムになっていますよね。
Shawn:アルバムの中だと「Garage」と「Hey! Ho!」、それから昔は「Knockin’」というタイトルだった「Door」は、結成当初からあったデモの曲ですね。
――そして「HOME」は、日本のファンへのみなさんの気持ちを表現した曲になっています。
Mark:この1年半ほど日本で活動してきた中で、「日本のファンがいるからこそ、今の僕らがいる」ということを感じて、みんなに向けた感謝の気持ちを歌ったのがこの曲です。
――この曲のレコーディングはどうでしたか?
Mark:レコーディング中も、ドラムを叩きながらファンのみんなのことを考えていました。この1年間を振り返りながらレコーディングしていったので、すごく感慨深かったです。
Shawn:この曲は最後のサビは盛り上がっていきますけど、歌では最初のバラードのところからどうやってそこまで感情を盛り上げていくかを大切にしました。
JK:ベースラインもどうやって「感情を込めるか」が大事でした。
Shawn:「HOME」は「ファンのみんながいるところが、僕たちのホームだ」という大切な曲なので、曲名もあえて大文字の「HOME」にしました。この曲は、メッセージを伝えるために日本語で歌うことも大事でしたね。
――では次に、ライブではやっていたものの音源としては初めて収録された曲についても聞かせてください。「looking for」はShawnさんが『下北沢サウンドクルージング』でのソロライブで披露した曲で、当日は他のメンバーからも応援メッセージが届いていました。
Shawn:そうですね。この曲のデモのタイトルは「自分探し」というものだったんです。もともと、日本のスタッフとの会話の中で「自分探し」という新しい日本語を知って、「意味が深い言葉だな」と興味を持って。その後もずっとその言葉のことを考えていて、「これを曲にしたいな」と思って、僕が作詞作曲して作った曲です。
――「自分探し」という日本語は、台湾の人からすると不思議に思える言葉なんですか?
Shawn:よくよく考えてみると「その通りだなぁ」と思いますけど、言葉の組み合わせがすごく面白いんですよ。そんな言葉は台湾にはないので、最初はビックリしました。それで、歌詞では日本に来てからの色々なことを歌っています。誰でもその年齢ならではの自分の悩みがあると思うし、悩んでいても「あなたはひとりじゃないですよ」という曲ですね。「自分」というのは答えがすぐに見つかるのではなくて、「それをみんなずっと探している」という意味でも、「悩んでいるときもひとりじゃないよ」と歌いたかったんです。
――歌詞にも表われていますが、Shawnさん自身も日本に来てから色々悩んできたからこそできた歌ですね。ファンのみなさんに支えられたからこそ、乗り越えられたことがたくさんあったはずですし、今度はそれをみなさんにもお返しするような感覚もあるのかもしれません。
Shawn:そうですね。ファンのみなさんは知っていると思うんですけど、僕は今年に入ってから、石原さとみさんがすごく好きなんです(笑)。そこで自分が誰かのファンになる気持ちを初めて知って……。だから、僕もどんなに小さなことでも、僕らのことを応援してくれる人たちにいい影響を与えられるようになりたいと思いました。
――ちなみに、Shawnさんから石原さんの話が出ましたが、みなさんが最近ハマっているものというと?
Hank:僕はTWICEが好きですね。音楽も聴いているし、動画もたくさん見ています。TWICEは可愛いですし、音楽もすごくいいですよね。
Shawn:僕は台湾のバラエティ番組を寝る前に観ていますね。昔すごく人気だった芸能人の方が、牧場のような普通の仕事を体験する様子を放送する企画で、制作陣もアドリブで色々な面白いことを考えているんです。編集もすごく上手いので、そういう意味でも観ていて面白いです。音楽だと、最近は今まであまり聴くことがなかったラップやヒップホップも聴くようになって、そこから影響を受けるようになったりもしているんです。
――そういえば、以前ライブでトラップをSEにして登場したこともありましたね。
Shawn:そういうSEについても、「どんな風にしようかな」とよく考えていますね。
Mark:僕は最近、クラシックをよく聴いているんですよ。ここ最近はライブがずっと続いていて、僕らの音楽は興奮するタイプのものが多いので、気持ちを切り替えるためにも聴いているんです。リチャード・クレイダーマンの曲を聴くと、とてもリラックスできますね。
JK:僕のマイブームは、たくさんくだものを食べること……。
Hank:(爆笑)。音楽は?
JK:最近は寝る前にジャズを聴いています。カフェやレストランでかかるようなジャズが多いかもしれないですね。