春奈るなが明かす、楽曲の表現を広げるテクニック「歌詞を朗読することで自分の言葉に組み替わる」

春奈るな「桃色タイフーン」インタビュー

「ドキドキなんて二次元にしか転がってない」

——確かに今おっしゃっていたとおり「恋せよ乙女」は「恋せよ乙女」で大胆なことを歌ってるなあ、という印象を受けました。

春奈:〈ドキドキで死んじゃいそうよ〉ってすごいパワーワードですよね(笑)。

——でも歌うのは楽しかったんですよね?

春奈:こういう気持ちはすごくわかりますから。推しの二次元キャラが尊すぎて死んじゃいそう、みたいな……。

——そこで出てくる恋愛対象が二次元キャラなのがすごく残念です(笑)。

春奈:でもドキドキする出来事なんて二次元の世界にしか転がってないじゃないですか!

——そんなことはございません! ちなみに今ハマってるタイトルは?

春奈:『イナズマイレブン』です。

——ということは推しは中学……。

春奈:3年生ですね。中3の男の子を観ながら〈ドキドキで死んじゃいそう〉になってます。ホントに推しが尊すぎて画面を直視できないことがありますから(笑)。

——そこまで実感を込めて歌っていらっしゃいましたか(笑)。

春奈:はい!(笑)。でもこの曲って誰にでも共感してもらえる曲だなとは思っていて。皆さんは対象が三次元なのかもしれないけど(笑)、誰かを好きになってドキドキしたことっていうのはあるでしょうから。

——確かにそうですね。で、カップリング2曲目は「Again」。「桃色タイフーン」「恋せよ乙女」と同じラブソング、しかも作詞作曲はSakuさんではあるものの、かなりメロウな1曲です。

春奈:ミドルバラードは得意というか、こういうゆったりとした曲はすごく好きで。歌の中で一番表現したいのは登場人物の感情の動きだったりするので、ゆっくりしたメロディに乗せて一つひとつの歌詞を粒立って聴かせることができるバラードやミドルバラードはやっぱり春奈るなの一つの大事なジャンルにしていきたいな、と思ってます。

——アマチュア時代からバラードやミドルバラードがお好きでした?

春奈:そうですね。昔から聴く楽曲とかカラオケで歌う楽曲はそっち系でした。デビューしてからキラキラした楽曲を歌うことが増えた感じですね。

——じゃあ今回のシングルの1曲目、2曲目をアマチュア時代の春奈さんが聴いたら……。

春奈:ビックリすると思います。だって私、デビューのきっかけになった『全日本アニソングランプリ』の予選会場で審査員の方に「アップテンポってなんですか?」って聞いちゃったんですよ。

——へっ? 「アップテンポってなんですか?」ってなんですか?

春奈:その日もバラードを歌ったら、審査員の方に「アップテンポの曲は歌わないんですか?」って聞かれたので、思わず「アップテンポってなに?」と(笑)。

——テンポの速い曲のことです(笑)。

春奈:そうらしいですね(笑)。今思うとそこまでアップテンポな曲じゃないんですけど、当時の私にとって最も速い曲は高橋洋子さんの「魂のルフラン」だったので。あれこそが激しい曲なんだっていうイメージがあったくらい、アップテンポになじみのない生活を送ってました(笑)。

——そうおっしゃるだけあって「Again」のボーカルはさすがというか。こういうミドルバラードを歌いこなすテクニックってなにかおありになったりは?

春奈:息づかいをすごく意識してますね。フレーズの一番最後、音が抜けるところのブレスを少し多めに残したり、ため息みたいなものをあえて入れてみたり。声優さんの演技なんかもそうなんですけど、重い物を持ち上げるときにウッ! と息を貯めたり、息づかいで伝わる感情っていうものもあると思うんです。ちっちゃいときからアニメを観ていて、なんとなくそういうことに気付いていたからかもしれないんですけど、特にバラードでは息づかいを意識的するようにはしてますね。

——確かにそう言われてから「Again」のボーカルを思い返してみると、声の抜き方がフックになっていますね。

春奈:「メロディはどんなにかわいく歌っていても、最後のビブラートや音の抜き方はちょっと渋い」みたいな聴かれ方をしたらいいな、とは思ってるし、それがちゃんと耳に残ってくれているとうれしいですね。

——そして10月には、まさに「桃色タイフーン」からインスパイアされたのだろうタイトルのワンマンライブ『LUNAtic Typhoon』が開催されますけど、もう演出プランやセットリストは固まりつつある?

春奈:今は『アニサマ』の準備もありますし、まだ演出プランもセットリストも皆無って感じですね(笑)。

——「こういうライブにしたい」みたいなイメージは?

春奈:ありがたいことに持ち曲が増えてきたこともあって、最近ライブで歌えていない曲も少なくないので、そういう最近日の目を見ていない曲を披露したいな、って思ってます。もうMCはいらないから全曲ライブをやりたいです!

——いや、るな充の皆さんはどう考えても春奈さんのおしゃべりも聞きたがってますって。

春奈:じゃあ当日物販コーナーで売っているグッズの紹介くらいはします!

——文字どおり“言うに事欠いて”、宣伝だけはする、と(笑)。

春奈:でも本当に曲をたくさん聴いてもらいたいっていう気持ちが強いんですよね。

——最後に、2018年後半の目標ってあります?

春奈:これも予定は皆無な状態なんですけど(笑)、クリスマス時期に何かイベントをやりたいな、とは思ってます。リア充の巣くつである魔のクリスマスにるな充の素晴らしさを知らしめてやりたいな、って(笑)。

(取材・文=成松哲)

■リリース情報

『桃色タイフーン』
2018年8月22日(水)
【完全生産限定盤(CD+BD)】¥2,500(税込)
・ライブ映像を収録したBD付/三方背BOX仕様/フォトブック付/フォトカード(A)封入

【初回生産限定盤(CD+DVD)】¥1,700(税込)
・ミュージックビデオとメイキングを収録したDVD付/フォトカード(B)封入

【通常盤(CD)】¥1,300(税込)
・フォトカード(C)封入<初回仕様>

【期間生産限定盤<アニメ盤>(CD+DVD)】¥1,600(税込)
・アニメノンクレジットOP映像を収録したDVD付/アニメ描き下ろしイラスト”2面”デジパック仕様/フォトカード(D)封入

■関連リンク
春奈るな
公式サイト
公式Twitter
公式Instagram
TVアニメ『ゆらぎ荘の幽奈さん』
公式サイト
公式Twitter

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