ソロシンガー、演技、プロデュース……AAAのグループ力は“個の強さ”にあり
一方、ソロ活動を音楽ジャンル一点にほぼ特化しているのは、メンバーの日高光啓だ。日高はSKY-HI名義でラッパーとしてソロ活動を始め、2013年8月7日には1stシングル『愛ブルーム/RULE』でデビューしている。SKY-HI名義の作品では日高が作詞・作曲に関わることがほとんど。彼の楽曲はラップスキルとともに高く評価され、近年ではファッションアイコンとしても注目を集めるフィメールラッパー・吉田凜音のプロデュースを手がけるなど、活動の幅を広げている。グループの中でもラップを担当することが多い日高。「ラップ担当の人気メンバーがラップでソロデビューしただけ」と思われがちだが、SKY-HI名義の楽曲を聞けば全くの間違いだと分かるはずだ。8月7日から20日までの期間限定で無料配信した6曲入りのMIXTAPE『FREE TOKYO』など自身のアティチュードを音楽活動でも示している。グループの知名度に頼るのではなく、クラブで地道な活動を続けて今の地位を勝ち取る貪欲さ、昨年行なった武道館公演について「自分の中でゴール感がまったくないのが嬉しい限りですね。“ついにここまで来たか!”という高揚感もあまりないんですよ(参照)」と答えるほどの向上心を併せ持つSKY-HIだからこそ、クオリティの高い楽曲を生みだし続けているのだろう。この先も、アーティスト“SKY-HI”として長く活躍していくことは想像に難くない。
他にも、メンバーの浦田直也は音楽でのソロ活動やライブ、與真司郎は写真集発売などファッション関連の活動やソロライブ、末吉秀太は得意のダンスを活かしたイベントや自身のソロライブなど、それぞれ個性を活かした活動を次々に展開している。各メンバーがこれだけ多才であることから、AAAはグループというよりも強い個を持つアーティストが集結したプロ集団と言っても過言ではないだろう。そして6人が集まったときに発揮されるパフォーマンスは、この先もさらに高まっていくに違いない。
(文=高橋梓)