小島みなみ&紗倉まなが語る、サザンオールスターズ歌詞の力「心の芯を強くもちたい時に聴きます」

小島みなみ&紗倉まなが“サザン”を語る

「この集団行動に絶対負けないぞ」と背中を押されながら聴いている

ーー「壮年JUMP」はいかがでした?

小島:三ツ矢サイダーのCMで聴いた時は爽やかな歌だなって思っていたんですけど、今回ちゃんと歌詞を見ながら聴くと、私たちも“おとといフライデー”というアイドルユニットとして活動しているのですが、それに照らし合わせちゃったりして。おとといフライデーは「輝けるのも今だけ」というのがコンセプトなんですが、ファンの人に「こうやって思ってもらえてたらいいなぁ」って。でも、歌詞に〈グッバイ〉ってあるのはなんでだろう。

ーー推測ですけど、桑田さんにも当時好きなアイドルがいて、そのアイドルと別れなきゃいけない瞬間があって、その気持ちが入ってるんじゃないでしょうか。

小島:なるほど。それを聞くとなおさらこういう気持ちで応援してほしいなって思いました。やっぱり輝ける時ってその一瞬だけですから。

紗倉:しゅわしゅわって気泡の弾ける感じのサウンドがアイドルを見ている時の胸の高まりにすごく被って聞こえました。めちゃくちゃ爽やかな曲で、夏の時期には絶対聴きたくなりますね。

ーー原由子さんがボーカルの「北鎌倉の思い出」に関してはどうでしょうか。

小島:私この曲めっちゃ好きです。癒されるし、壮大な感じ。

紗倉:わかるー。

小島:「もののけ姫」の草めっちゃ生えた時みたいな!

紗倉:デイダラボッチが踏み潰した後ね。「共に生きよう」のところでしょう。

小島:そうそうそう。

紗倉:確かにこの〈100年前に消えた〉って歌詞も含めて、『もののけ姫』の世界に通じるところは感じるよね。

小島:最後の歌詞もめっちゃ気になりますね。〈歴史の闇に埋もれて〉〈時に弄ばれて〉って、「こんなに爽やかだったのに、意味深!? 気になるー!」って。でも最後には〈闇は晴れてゆく〉で「よかったー」って(笑)。映画の主題歌ということで、映画もすごく気になりました。

ーーお二人がサザンを聴きたくなる時ってどんな時ですか?

紗倉:夏ですね。湘南や南房総に行ってる時は絶対。季節ごとに聴きたいアーティストが私の中ではあるんですけれど、サザンさんは初夏から夏の終わりまでのイメージが強くて。

小島:あとは、優しい気持ちになりたい時。私、すごくバラードが好きなので。でもめっちゃ切ないっていうよりも、程よい優しさが入ってる、ほっこりまったりしたものがいいです。

ーー先ほどお話にもありましたが、仕事の現場で聞くこともありますか。

紗倉:めっちゃあります! 自分を強く持ちたいとか、勇気をもらいたいとか、心の芯を強くもちたい時にもやっぱり聴きます。さっきお話しした「愛と欲望の日々」もそうなんですけど、女性がいっぱいいる中で生き抜いていくというイメージというか……歌詞の力もあるんですが「この集団行動に絶対負けないぞ。ピシッ!」みたいな感じで背中を押されながら聴いてるなぁと、思いました。

同じような布団の上の出来事を表すにしても異なる“言葉”

ーーサザンオールスターズの桑田さんの歌詞で好きな歌詞はありますか?

紗倉:〈五臓六腑を駆けてゆく〉とか〈惚れたはれたの真ん中で〉って……やっぱり「エロティカ・セブン(EROTICA SEVEN)」が好きですね。桑田さんって、お会いしたこともないし、本当はどういう方なのか存じ上げないのにこういうことを言うのもどうかと思うんですけど……「(もしかしたら)さまざまな女性と辻斬りのごとくセックスをしてきたのかな?」と思わせられる歌詞が好きなんです。「なんかエロいわぁー」って想像するじゃないですか。それがすごく好きで。

小島:わかるわかる!

紗倉:でも「TSUNAMI」や「いとしのエリー」のように、本当に好きな人はちゃんと想うっていう。そういう振り幅に引き込まれてる部分もあるかもしれない。

ーーエロでもいやらしくない言葉のセンスもすごいですよね。

紗倉:同じような布団の上の出来事を表すにしても、違う言葉を使われているから「ほほー。学ばせていただきます」という気持ちになります。

ーーサザンオールスターズのライブは観たことはありますか?

紗倉:映像でしかないんですが、エネルギッシュで画面で見ている気がしないですね。しぶきが飛んで来そうな勢いというか。「やっぱり生で観たいな」と思ったりしながら見てますね。

小島:CDで聴くよりも、ライブの時だとノリに身を任せて歌ってる感じがします。

紗倉:遊び心が沢山あってファンサービスがすごいですよね。来た人を楽しませるという気持ちが沢山あって、愛があるなって感じますね。生で観たら泣いちゃうと思います。

ーー最後にデビュー40周年に対してお祝いのコメントやメッセージを。

紗倉:世代を超えてずっと受け継がれていく名曲を沢山作られていることもすごいなと思っているのですが、それをずっと楽しませていただいていることにも本当に幸せなことだなと同時に思っていて。桑田さんがさらに歳をどんどん重ねた時にどんな曲を書くのか、今後も楽しみにされている方も沢山いらっしゃるし、私もそのひとりです。ただただ「神」だと思っているので、本当に簡単な言葉ですが、応援しています。

小島:生まれた時からサザンさんの曲を聴いて育ってきたと言っても過言ではないので、このまま私がおばあちゃんになるくらいまで、素敵な曲を出してほしいです。40年ってすごいじゃないですか。私はまだ25歳なので、まだまだなんです。初期から中期の曲が特に好きなんですけど、どの曲もすごくて。最近の曲もそれとはまたちょっと違う感じで、時代を感じ取っているようなところもあって、新しい曲が出る度に楽しくて聴かせていただいてます。大好きです。サザンさんの曲はどんな曲でも今聴きたい喜怒哀楽に合わせて聴くことができる。このまま私がおばあちゃんになるまで作っていただきたいと思います。本当に40周年おめでとうございます。

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