NEWS、キスマイ、KEN☆Tackey、嵐……多彩な楽曲揃ったジャニーズの6~7月リリースレビュー
嵐『夏疾風』
メンバーの相葉雅紀がナビゲーターを務める、『熱闘甲子園』テーマソング/2018 ABC夏の高校野球応援ソングに起用されている今作「夏疾風」。ゆず・北川悠仁による楽曲提供でも話題となった。
先に紹介したNEWSの「BLUE」とは対照的に、歌詞・サウンド共に“野球応援ソング”っぽさはあまり強くない印象だ。スポーツに限らず、信念をもって目標を目指す人全てに向けられた普遍的なメッセージが美しく響く。
爽やかながらも男っぽく力強いイメージを際立たせるのは、パワフルなドラムやアコースティックギターなど生バンド風のサウンド。フラットなメロ部分から明るく開けるサビへ繋がっていく展開に、胸のすくようなカタルシス感がある。大サビ前の相葉の、少年性と大人っぽさの共存したロングトーンが象徴的だ。
「きっと大丈夫」や「ファイトソング」など、応援ソングに定評のある嵐。今までは“そっと背中を押す”スタンスに立った歌詞が多い印象だったが、この楽曲から感じられるのは、来年20周年を迎える大人のアイドルらしい“あたたかく見守る”スタンスへの変化。嵐のアイドルとしてのキャリアと、大人の優しさを感じるシングルとなっている。
6月、7月は各グループのクリエイティビティや表現力の高さ、そしてそれ以上に“愛”や“優しさ”、“エール”などの強いエモーションを感じられるラインナップとなった。これから、さらに話題性抜群の楽曲が数多くリリースされるのが楽しみだ。
■五十嵐文章(いがらし ふみあき)
音楽ライター。主に邦楽ロックについて関心が強く、「rockinon. com」「UtaTen」などの音楽情報メディアにレビュー/ライブレポート/コラムなどを掲載。noteにて個人の趣味全開のエッセイなども執筆中。ジャニーズでは嵐が好き。
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