けやき坂46 加藤史帆、グループを引っ張る存在に 「ハッピーオーラ」センター抜擢に感じた意義

 同曲について加藤は、SHOWROOMで「何でそんなに歌上手いのって言われるけど、自信がなくて、ただ一生懸命歌いました。きょうこ(齊藤京子)とかみーぱん(佐々木美玲)みたいに習っていたわけじゃなくて、本当に全力をだしました。レコーディングは本当に酸欠になりました。それぐらい心をこめて頑張って歌いました」と語っている。ほかの二人はひらがなけやきに入る前から歌の経験があるメンバー。しかし、加藤はひらがなけやきに入る前は普通の学生生活を送っていた。乃木坂に憧れ、アイドルに憧れながらも自信がなく、なかなかオーディションを受けることができなかったときに、『欅って、書けない?』(テレビ東京系)で“けやき坂46のメンバー募集”の告知を見て、応募したという。コンビニで高速レジ打ちをしていた坂道ファンの学生が、ひらがなのメンバーとして一流のアイドルへと成長していく。そんなシンデレラストーリー的な展開もまた魅力的だ。

 今回の「ハッピーオーラ」ではセンターを務めている加藤。グループへの貢献度や人気に加え、ソロ曲で歌唱力の実力も立証されているため、順番が回って来たのも納得だ。『BUBKA』8月号のインタビューで加藤は「見ていて幸せになるというか、嫌なことを忘れさせてくれる存在が私にとってのアイドルだったので、私たちがライブで頑張っている姿を見て、嫌なことを忘れたりお仕事を頑張ったりする人が増えたらいいな」と、ひらがなのライブに関して語っていた。まさに「ハッピーオーラ」のMVは、加藤が描くアイドル像が具現化されたかのような、働く人を応援するものになっている。与えられる側から与える側になり、両方の気持ちがわかる加藤だからこそ、ひらがなけやきのモットーである「ハッピーオーラ」というタイトルの曲でセンターに抜擢されたことは、とても意義があることのように思う。

けやき坂46 『ハッピーオーラ』MV(Short Ver.)

 ただ加藤は、“ハッピーオーラ”という魅力はほとんどのアイドルも同じだと考えており、ひらがなけやきならではの良さや強さといった新しい何かを見つけようと模索している。常に一生懸命で結果を残し、現状には満足しない加藤。彼女の存在がある限り、まだまだひらがなけやきというグループは伸びていくことだろう。そして、加藤自身も歌姫としてもっと大きく羽ばたいてくに違いない。

(文=本 手)

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