けやき坂46 加藤史帆、グループを引っ張る存在に 「ハッピーオーラ」センター抜擢に感じた意義
けやき坂46(ひらがなけやき)の1stアルバム『走り出す瞬間』ではソロ曲「男友達だから」を歌い、8月15日にリリースされる欅坂46の7thシングル『アンビバレント』に収録されている、ひらがなけやき唯一の新曲「ハッピーオーラ」ではセンターを務めている加藤史帆。今、ひらがなの中で最も注目を集めているメンバーの一人だ。そこで今回は、美しきコメディエンヌとしてバラエティ番組で活躍してきた加藤が、パフォーマンス面でもグループを引っ張る存在となった経緯を振り返りつつ、改めて彼女の魅力について考えたい。
加藤の魅力といえば、クールな見た目とは裏腹にユーモアのある性格というギャップだろう。たとえば、カメラの前でも迷うことなく変顔を連発したり、テンションが上がると動きが面白くなったりする。また水やそうめんを噴射するなど、リアクション女王としてのバラエティセンスも抜群だ。しかし彼女の本当の魅力は、実は泣き虫で、グループのことを一生懸命考えているというエモーショナルな部分にある。
昨年のひらがなけやきは、漢字欅のアンダーグループ的なポジションで行き先が見えず、さらに2期生の加入もあり、人一倍自分たちの存在意義を問う期間だった。ひらがなけやきの創設者と言える長濱ねるが漢字専任で活動することを発表した直後のブログで加藤は、「ひらがな一期生のお姉さん組としてみんなを引っ張っていけるくらいの存在になれるように頑張ります!」(引用:加藤史帆 公式ブログ)と熱く綴り、2017年を振り返るブログでは「来年はもっとひらがなけやきを多くの方に知っていただけるように、ひらがな特攻隊長になれるように頑張ります!」と目標を立てていた。それを有言実行するかのように加藤は、バラエティ番組や各メディアで活躍することで、ひらがなけやきの魅力を少しずつ世間に広めていった。
1stアルバム『走り出す瞬間』のリリースイベントをSHIBUYA TSUTAYAで開催した際には、ワンフロアがひらがなけやき一色になっていた。そんな中、佐々木美玲が「長かったね」と一言呟くと、表ではいつも明るく振る舞っていた加藤が号泣する姿も。彼女の努力が報われた瞬間は実に感動的なものであった。
もともと魅力的で艶のある歌声はファンの間では定評があり、欅坂の1stアルバム『真っ白なものは汚したくなる』のTYPE-A(DISC2)に収録された、加藤、潮紗理菜、齊藤京子、佐々木久美、高本彩花によるひらがなの初ユニット“りまちゃんちっく”の「沈黙した恋人よ」では、齊藤京子と並びその歌唱力の高さを知らしめる。そしてひらがなけやきの集大成とも言える今年の武道館公演で披露された「イマニミテイロ」では、センターの佐々木美玲を挟む形で、「それでも歩いてる」のセンターを務めた齊藤京子と3人で一緒に歌い出すというポジション。ソロパートでも齊藤京子の独特の低音ボイスを見事に受けきり、実に心地良い歌声の連携だった。
そしてこの3人は、『走り出す瞬間』ではソロ曲が与えられている。加藤が歌う「男友達だから」は、欅坂の中では珍しくしっとりと歌い上げるバラードナンバー。加藤の艶のある歌声が見事にハマり、彼女の魅力を最大限に引き出している。感動を呼ぶ、映画やドラマのエンディングのようなこの名曲を、加藤はライブでもしっかりと歌い上げた。歌姫としても開花した印象だ。